化粧_(ヴァトーの絵画)とは? わかりやすく解説

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化粧 (ヴァトーの絵画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/07 04:13 UTC 版)

『化粧』
フランス語: La Toilette
英語: A Woman at Her Toilet
作者 アントワーヌ・ヴァトー
製作年 1717-1719年ごろ
素材 キャンバス上に油彩
寸法 45.2 cm × 37.8 cm (17.8 in × 14.9 in)
所蔵 ウォレス・コレクションロンドン

化粧』(けしょう、: La Toilette: A Woman at Her Toilet)は、18世紀フランスロココ期の巨匠アントワーヌ・ヴァトーが1717-1719年ごろ、キャンバス上に油彩で制作した絵画である。1869年に第4代ハートフォード侯爵リチャード・シーモア=コンウェイ英語版により購入され[1]、現在、ロンドンウォレス・コレクションに所蔵されている[1][2]

作品

本作は、ヴァトーの稀な女性裸体像の1つである[1]。実際に彼は多数の裸婦像を描いたいたらしいが、現存する作品は少ない。画家は死の直前に司祭の来訪に備え、処分したともされる。ヴァトーの時代、聖書神話などに題材を借りた「口実」のない裸婦像は、一般には描くことははばかられた。しかし、ロココの盛期になると、女性の肌を美しく描いたフランソワ・ブーシェや甘美な作風のジャン・オノレ・フラゴナールなどにより、世俗的な裸婦が堂々と描かれるようになる[2]

レンブラント『ダナエ』(1636年)エルミタージュ美術館サンクトペテルブルク

本作に描かれているのは、朝、目覚めた貴婦人が小間使いの手を借りて身支度をしている場面である[2]。座っている貴婦人の姿は、ヴァトーの写生による素描 (大英博物館ロンドン) 中の生気ある女性像にもとづいている。ヴァトーと当時の最も重要なアマチュア画家アンヌ・クロード・ド・カイリュス英語版は、借りた部屋でいっしょに雇った女性のモデルをもとに素描を描いたが、それは王立絵画彫刻アカデミーのモデルは皆、男性であったからである[1]

このようにして裸婦像を描くことは異例であったものの、本作は歴史画という口実なしに一時の女性の裸体を描いていることで特筆すべきものである。しかしながら、ベッドは、おそらく当時パリにあったレンブラントの『ダナエ』 (エルミタージュ美術館サンクトペテルブルク) から採られた、まったく空想上のものとなっている。したがって、ヴァトーは、直接観察した要素と理想的な要素の間に良いバランスをとっていたことが示唆される[1]

脚注

  1. ^ a b c d e A Woman at Her Toilette”. ウォレス・コレクション公式サイト (英語). 2025年11月7日閲覧。
  2. ^ a b c 『週刊西洋絵画の巨匠 45 ヴァトー』、2010年、36頁。

参考文献

  • 『週刊西洋絵画の巨匠 45 ヴァトー』、小学館、2010年刊行

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