かとう‐くにお【加藤久仁生】
加藤久仁生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/12 16:17 UTC 版)
加藤久仁生 | |||||||||||
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生年月日 | 1977年4月24日(48歳) | ||||||||||
出生地 |
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職業 | アニメーション作家 | ||||||||||
活動期間 | 2001年 - | ||||||||||
主な作品 | |||||||||||
『或る旅人の日記』 『つみきのいえ』 | |||||||||||
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加藤 久仁生(かとう くにお、1977年4月24日[1] - )は、日本のアニメーション作家。鹿児島県鹿児島市出身。
来歴・人物
鹿児島市立桜丘東小学校、鹿児島市立桜丘中学校、鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校、多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業[2]。大学在学中に制作したアニメーション作品で国内の賞を獲得。
大学を卒業後、2001年に映像制作会社の「ROBOT」に入社する[3]。ROBOTではキャラクター・アニメーション部アニメーションスタジオケージに所属し、テレビ番組、Webアニメーション、スポットCMなどのアニメーション作品を手がけた。
2008年、加藤が監督した『つみきのいえ』が世界最高峰のアヌシー国際アニメーション映画祭で、短編作品に与えられるアヌシー・クリスタル賞(最高賞グランプリ)を獲得[3]。同賞の日本人の受賞は2003年『頭山』の山村浩二に続いて2人目[4]。
2009年、『つみきのいえ』が第81回アカデミー賞の短編アニメーション賞を受賞した[5]。短編アニメーション賞の受賞は日本人監督作品では初[3]。受賞スピーチでは英語で、オスカー像が重いことや、スタッフなどに対する感謝の意を表明し、所属会社のROBOTに感謝したあと、アメリカのロックバンド、スティクスの曲「ミスター・ロボット」に含まれている日本語の歌詞にちなみ「どうもありがとう。ミスター・ロボット」と締めくくり、会場の笑いを誘った[5][6][7]。同年に文化庁長官表彰の国際芸術部門を受賞[8]。
2017年春にROBOTを退社し、アニメーション作家として独立する[3][9]。同年、NHK「みんなのうた」の「風と共に」(作詞・作曲:宮本浩次)のアニメーションを担当する[3]。秋には東京都内から鎌倉に転居する[3]。
作品
- The Apple Incident
- 或る旅人の日記(2003年)[1]
- MY LITTLE LOVER「FANTASY」
- MTV “MUSIC FLOWER”
- R(2006年)[1]
- つみきのいえ(2008年)
- 窓際のトットちゃん(水中シーン)(2023年)
みんなのうた
- ◆は、5分間1曲枠の楽曲(ロングのうた)。
- 1.セルの恋 / 中川晃教(2005年8月・9月放送)◆
- 2.風と共に / エレファントカシマシ(2017年6月・7月放送)
- 3.カイト / 嵐(2020年4月・5月放送)
受賞歴
- ラピュタアニメーションフェスティバル(最優秀作品賞)
- 第2回メルヘンアニメ・コンテスト(最優秀作品賞・『或る旅人の日記』・2004年)
- 第8回ソウルCartoon & Animation Festival(入賞・2004年)
- オタワ国際アニメーションフェスティバル(入賞・2004年、2006年)
- アヌシー国際アニメーション映画祭(グランプリ・『つみきのいえ』・2008年)
- 第12回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門(大賞・『つみきのいえ』・2009年)[10]
- 第81回アカデミー賞(短編アニメーション賞・『つみきのいえ』・2009年)
- 第7回メルヘンアニメ・コンテスト(最優秀作品賞・『つみきのいえ』・2008年)
- 第14回アニメーション神戸賞(個人賞・2009年)[11]
影響
2015年、チリの作家ホセ・バローハは「或る旅人の日記」にインスパイアされた[12]、 XIIIゴンサロロハスピサロ国際コンテストの優勝テキストである「El hombre del terrón de azúcar」というストーリーを公開した[13]。
脚注
出典
- ^ a b c “「つみきのいえ」の加藤久仁生監督とは…”. 日刊スポーツ (2009年2月23日). 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月13日閲覧。
- ^ 『南日本新聞』 2013年6月2日付 22面(あの時を忘れない1)
- ^ a b c d e f 森本俊司 (2019年12月10日). “オスカー受賞に感じた戸惑い 「つみきのいえ」加藤久仁生が生み出した新たな表現”. 朝日新聞GLOBE+. 2025年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月13日閲覧。
- ^ “アヌシー国際アニメーションフェスティバルで最高賞受賞”. 日本アニメーション協会 (2008年6月25日). 2025年5月12日閲覧。
- ^ a b “The 81st Academy Awards | 2009” (英語). www.oscars.org (2014年10月7日). 2025年5月13日閲覧。
- ^ “「つみきのいえ」でアカデミー短編アニメ賞受賞!加藤久仁生監督が緊急会見”. 映画.com (2009年2月26日). 2025年5月13日閲覧。
- ^ “短編アニメーション賞は日本の『つみきのいえ』が受賞!加藤監督英語でスピーチ!:第81回アカデミー賞”. シネマトゥデイ (2009年2月23日). 2025年5月13日閲覧。
- ^ 井本早紀 (2017年7月12日). “『ルー』湯浅政明、『この世界』片渕須直に文化庁長官表彰”. シネマトゥデイ. 2025年5月13日閲覧。
- ^ ROBOT CAGE 加藤久仁生[リンク切れ]
- ^ “アニメーション部門”. 文化庁メディア芸術祭 - JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL. 文化庁. 2025年5月13日閲覧。
- ^ “第14回アニメーション神戸賞 受賞者・受賞作品”. アニメーション神戸. アニメーション神戸実行委員会事務局. 2015年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月30日閲覧。
- ^ “El hombre del terrón de azúcar” (スペイン語). Biblioteca Virtual Fandom. 2024年1月8日閲覧。
- ^ “El hombre del terrón de azúcar - Wikisource” (スペイン語). es.wikisource.org. 2022年7月29日閲覧。
外部リンク
- 加藤久仁生のページへのリンク