前線強化過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 22:40 UTC 版)
時間の経過に従って水平温度傾度が急になるとき、前線強化過程(フロントゲネシス、フロントジェネシス、英語:frontgenesis)にあるという。以下の図は典型的な前線強化過程を示すものである。図1の変形場で上下方向に線対称の空気粒子のペアを観察すると時間が経過するにつれて空気粒子の間隔は狭まる。もしこの図において等温線が横軸に対し少しでも水平である場合、温度傾度は急になる傾向にある。図2に示すような収束場の場合、対向する流線の粒子ペアの間隔は時間の経過につれて狭まる。故に、等温線が流線に一致する場合を除き、温度傾度は急になる傾向にある。 図1.変形による前線強化 図2.収束による前線強化 前線強化過程に対して、時間の経過に従って水平温度傾度が緩やかになるとき、前線消滅過程(フロントリシス、英語:frontlyses)にあるという。収束場では同等圧線上の任意の空気粒子のペアの間隔は時間の経過につれて狭まるのに対し、発散場では時間の経過に従って広くなる。低気圧では前線が明瞭であるが、高気圧で前線が認められないのはこの所為である。
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