出力制御方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 07:45 UTC 版)
油圧ショベルは出力の制御も主に油圧を用いて行っており、以下のような制御の方式が用いられている。油圧ショベルの制御は基本的に油圧ポンプの吐出圧を一定の圧力に固定し、各アクチュエーターに必要な流量を供給するようにポンプの流量を制御する。過去には運転台に備わる各レバーで直接バルブを動かすメカニカル制御だったが、現在では電磁弁に置き換わりレバーは単なる電気スイッチになっており、解体機や積込作業機で運転台の架装位置を変更したり可動式にすることも容易になっている。操作系のレイアウトも変更可能だが、多くのメーカーは従来機の操作に慣れたユーザーに配慮し、以前の操作系を踏襲しているため操作は各社方式が並立したままとなっている。 オープンセンタ・ネガティブコントロール制御 オープンセンタ・ポジティブコントロール制御 クローズドセンタ・ロードセンシング制御 それぞれの制御方法のオープンセンタ、クローズドセンタとは油圧回路を制御する弁の集合体であるコントロールバルブの構造に由来している。 オープンセンタ方式では、センターバイパスと呼ばれる回路が無負荷状態では解放され油圧がタンクに流れ込むのに対し、クローズドセンタ方式では無負荷状態ではセンターバイパスは閉じており油圧はタンクに帰らない。 オープンセンタ方式ではアクチュエーターに油圧が送られるとセンターバイパスの流量が減るため、センターバイパスの圧力が下がる。無負荷状態では逆にセンターバイパスの圧力が上がる。 このため、オープンセンタ方式ではセンターバイパスの圧力を取り出し、ポンプの流量を制御する。具体的にはネガティブコントロール制御では、センターバイパスの圧力が下がれば、負荷がかかっていると判断してポンプ流量を増やし、センターバイパスの圧力が上がると流量を減らす制御を行う。
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