再発性多発軟骨炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/29 04:01 UTC 版)
再発性多発軟骨炎(さいはつせいたはつなんこつえん、再発性多発性軟骨炎とも、英: relapsing polychondritis: RP)は、原因不明の軟骨の破壊・腫脹を来たす慢性疾患である。膠原病類縁疾患、自己免疫疾患のひとつで、全身の軟骨に炎症をきたし、その名のとおり寛解と再発を繰り返す。1923年 Jaksc-Wartenhorstが症例報告し、1960年 Pearsonらが現在の病名で自験例をNew England Journal of Medicineに報告した[1]。
日本での正確な統計はないが、アメリカ・ミネソタ州ロチェスターでは年間100万人当たり3.5人が発症するという。初発症状は耳介の痛みやはり感であることが多いが、症状や病変部位は患者によって多彩である。そのほか関節、気管軟骨、目、鼻、皮膚などに傷害が発症する。有用な検査はあまりなく、診断は臨床的になされるが、病変部位の病理学的所見は有用である。軟骨の変性(好塩基性低下、lacunaeの消失、線維化)および炎症細胞浸潤が見られる[2]。治療にはステロイドや免疫抑制剤を用いる[3]。寛解と再発を繰り返すものの、心病変がなければ、死亡の原因とはあまりならない。
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