再生ランキンサイクルの抽気量および熱効率の計算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 06:27 UTC 版)
「ランキンサイクル」の記事における「再生ランキンサイクルの抽気量および熱効率の計算」の解説
図 8、9 の混合形給水加熱器を用いる場合、各装置での状態変化は、まさつ損失を無視すると次表のようになる。 再生ランキンサイクルの状態変化装置理想化した状態変化→1 1→b 低圧給水ポンプ(復水ポンプ) 等エントロピー圧縮 b→c 給水加熱器での混合による受熱 等圧加熱 a→c 給水加熱器での混合による抽気の放熱 等圧冷却 c→d 高圧給水ポンプ 等エントロピー圧縮 d→3 ボイラ 等圧加熱 3→ 給水加熱器では a の状態の抽気と b の状態の給水(サブクール水)を混合して、c の飽和蒸気にした後、高圧給水ポンプでボイラへ給水する。 タービン流入蒸気 1 kg に対する抽気量を m (kg) とすると、熱量収支より m h a + ( 1 − m ) h b = h c {\displaystyle mh_{\mathrm {a} }+(1-m)h_{\mathrm {b} }=h_{\mathrm {c} }} となり、これより抽気量が求まる。 m = h c − h b h a − h b ≃ h c − h 1 h a − h 1 {\displaystyle m={\frac {h_{\mathrm {c} }-h_{\mathrm {b} }}{h_{\mathrm {a} }-h_{\mathrm {b} }}}\simeq {\frac {h_{\mathrm {c} -}h_{1}}{h_{\mathrm {a} }-h_{1}}}} 実際には、給水加熱器の水面が一定となるように抽気量を調節することになる。 ボイラの加熱量およびタービンの仕事量は次式となる。 q B = h 3 − h d ≃ h 3 − h c w T = ( h 3 − h 4 ) − m ( h a − h 4 ) {\displaystyle {\begin{aligned}q_{\mathrm {B} }&=h_{3}-h_{\mathrm {d} }\simeq h_{3}-h_{\mathrm {c} }\\w_{\mathrm {T} }&=(h_{3}-h_{4})-m(h_{\mathrm {a} }-h_{4})\end{aligned}}} したがって、再生ランキンサイクルの熱効率は η ≃ ( h 3 − h 4 ) − m ( h a − h 4 ) h 3 − h c {\displaystyle \eta \simeq {\frac {(h_{3}-h_{4})-m(h_{\mathrm {a} }-h_{4})}{h_{3}-h_{\mathrm {c} }}}} として求まる。 実際の発電設備では、4~7段抽気程度の再生サイクルとなっている。多段抽気再生サイクルでは、通常高圧側に表面形給水加熱器を用い、凝縮した抽気を減圧して低圧側の抽気に混ぜて熱回収し、低圧段を混合形としてすべての抽気を給水に混合している。
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