再処理ウランの放射性への寄与
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 06:05 UTC 版)
「ウラン236」の記事における「再処理ウランの放射性への寄与」の解説
ウラン238の半減期はウラン236の約 190 倍もあり、従ってウラン236はウラン238の約 190 倍の比放射能を持つことになる。これは0.5%のウラン236を含む再処理ウランにおいては、ウラン236とウラン238はほぼ同レベルの放射能を持つことを意味する(ウラン235の寄与はほんの数%に留まる)。 この両者の崩壊生成物が含まれる場合、この比は190よりも低くなる。ウラン238の崩壊系列はウラン234から最終的には鉛206に至るが、この間に8個のアルファ粒子をウラン238の半減期に比べれば一瞬といってもよい時間(ただし数百万年)の内に放出する。従ってその生成物と放射平衡にあるウラン238 (天然のウラン鉱石の状態) は、ウラン238単独状態よりも8倍のアルファ放射能を持つことになる。精製された天然ウランでは、ウランより後に来る崩壊生成物は除去されるが、それでもウラン238と平衡状態にある量のウラン234を含むため、ウラン238単独の場合より約2倍のアルファ放射性を持つ。ウラン235の濃縮はウラン234の比率もかなりの程度まで高めてしまう。そして概略このウラン234の半分が使用済み核燃料の中に残ることになる。一方、ウラン236はトリウム232に崩壊するが、これの半減期は 140 億年にもおよび、逆に言えばその崩壊率(放射能に等しい)はウラン238 の 31.4% ということになる。
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