内皮細胞との相互作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 15:32 UTC 版)
血管内皮細胞とは相互作用が存在する。内皮細胞はプロスタグランジンI2、一酸化窒素(NO)などを産生しているが、これは血小板の活性化、凝集を抑制し、正常な状態で血栓の形成が起こらないように抑制している。一方、血小板は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)やチミジンホスホリラーゼを産生し、内皮細胞の遊走と増殖を促進している。また血小板は、内皮細胞の遊走・増殖抑制や、血小板自身のVEGF産生抑制に関わるトランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)も産生している。このTGF-βは初めは不活性型である。血栓が役割を果たし不要になった際、内皮細胞は組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)を放出し、プラスミノーゲンを血栓を溶かす物質であるプラスミンに変えるが、TGF-βはこのプラスミンによって活性化されて内皮細胞を抑制する。つまり、負のフィードバックとして働いている。 このように、内皮細胞と血小板は互いに作用しあっているが、これが破綻すると過剰な血栓の形成や血管内膜の肥厚によって、血栓症や動脈硬化などを引き起こす。
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