公開鍵暗号の考案
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 13:27 UTC 版)
共通鍵暗号に生じる鍵配送問題は、送信者と受信者の両者がただ1つで共通の鍵を用いるために起こる問題である。そこで両者が異なる鍵を用いる方法、すなわち公開鍵暗号が考案された。これが鍵の配送問題を解決した。 公開鍵暗号を用いた通信手順の概略: 通信を受ける者(受信者)は自分の公開鍵(暗号化のための鍵)p を全世界に公開する。 受信者に対して暗号通信をしたい者(送信者)は、公開鍵 p を使ってメッセージを暗号化してから送信する。 受信者は、公開鍵 p と対になる秘密鍵(復号のための鍵)s を密かにもっている。この s を使って受信内容を復号し、送信者からのメッセージを読む。 暗号通信を不正に傍受しようとする者(傍受者)が、送信者が送信した暗号化されたメッセージを傍受したとする。傍受者は、公開鍵 p は知っているが、秘密鍵 s は受信者だけが知っている情報であるので分からない。p から s を割り出すことは(計算時間の点から)極めて難しい。したがって、暗号文を復号することはおよそできない。 暗号化のための鍵 p と、復号のための鍵 s を異なる(非対称の)ものにすることによって、鍵配送問題を解決したのである。 暗号の用語については、暗号理論の用語、暗号の用語を参照。
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