入口弁の数別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 17:07 UTC 版)
蒸気タービンへの蒸気の供給量を調整する入口弁の数で分類できる。 単弁式 多弁式 ただ1つの入口弁で出力の全域に渡って蒸気の供給量を調整する単弁式と呼ばれる蒸気タービンと、3つや4つの入口弁で調整する多弁式と呼ばれる蒸気タービンがある。例えば4弁ある多弁式では、1つ目の弁が供給量の0 - 25%までを担当し他の弁は閉じている。2つ目の弁は供給量の25 - 50%までを担当し1つ目の弁が全開で他の弁は閉じている。3つ目の弁は供給量の50 - 75%までを担当し1つ目と2つ目の弁が全開で4つ目の弁は閉じている。4つ目の弁は供給量の75 - 100%までを担当し他の弁が全開になっている。単弁式で行なわれている蒸気量の調整方法を全周送入といい、多弁式で行なわれている蒸気量の調整方法を部分送入という。 ただ1つの入口弁で調整する単弁式では、3つや4つの入口弁で調整する多弁式と比べて弁の通過で生じる圧力損失が大きくなり、結果として出力が減少する。これは多弁式では供給量が半分程度でも全開状態の弁が存在するためその弁での圧力損失が最小になるが、単弁式では供給量が半分程度であれば相応の圧力損失が生じるためである。これに対し、多弁式は低負荷時の損失は軽減されるが、タービンに流入する蒸気が不均一となるため、振動対策が必要となることがある。
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