元の重複と添字の入れ替え
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 07:42 UTC 版)
「族 (数学)」の記事における「元の重複と添字の入れ替え」の解説
二つの族が等しいとは、それらが写像として等しいこととして定められる。つまり、ある族に属する、値としては同じ元であっても、対応する添字が異なればそれらは区別される。たとえば、12 と 57 という二つの数からなる集まりを考えるとき、集合としては { 12 , 57 } = { 12 , 57 , 57 } {\displaystyle \{12,57\}=\{12,57,57\}} というように、たとえ表記上 57 が二回属しているように見えても「一回属している」ものと等しいが、一方で、自然数の族としては I = {1, 2} を添字集合とする f(1) = 12, f(2) = 57 と、I={1,2,3} を添字集合とする g(1) = 12, g(2) = 57, g(3) = 57 は別の写像であるから、 ( 12 , 57 ) ≠ ( 12 , 57 , 57 ) {\displaystyle (12,57)\neq (12,57,57)} と区別を受ける。元の順序をはっきりさせるために、族を元に添字のついた集合として { 12 ( 1 ) , 57 ( 2 ) , 57 ( 3 ) } {\displaystyle \{12_{(1)},57_{(2)},57_{(3)}\}} などと表すこともある。このとき元の添字を変えない限り元の並べ替えは自由に行ってよいが、添字の付け替えでは異なる族をあらわすことがあり、例えば { 12 ( 1 ) , 57 ( 2 ) , 57 ( 3 ) } ≠ { 12 ( 2 ) , 57 ( 1 ) , 57 ( 3 ) } = { 57 ( 1 ) , 12 ( 2 ) , 57 ( 3 ) } {\displaystyle \{12_{(1)},57_{(2)},57_{(3)}\}\neq \{12_{(2)},57_{(1)},57_{(3)}\}=\{57_{(1)},12_{(2)},57_{(3)}\}} と区別される。 この区別を無くして 12 が一つ、57 が二つというように、元が重複度を持つ集合の概念を考えることもあり、それを多重集合(たじゅうしゅうごう)と呼ぶ。
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