傾斜の原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 07:27 UTC 版)
1990年の改修工事前に行われた地質調査によると、傾斜の原因は地盤の土質が極めて不均質であったことである。南側の土質が相対的にやわらかかったため年月を経るうちに傾き始め、それにより回転モーメントが増大してますます地盤に対する負担が大きくなり、最終的に塔の南側が大きく沈下するという事態に陥ったのである。 工期は第1工期が1173年 - 1178年、第2工期が1272年 - 1278年、第3工期が1360年 - 1372年で、工期間隔が非常に長い。これは1173年8月9日の着工時には鉛直であったが、第1工期後には既に塔が傾きはじめたことによる。第2工期でその傾斜を修正しつつ建設が再開されたものの、その傾きはなおも止まらず、第3工期を迎えたのである。傾斜が修正できなかったため、最上階層のみ鉛直に建てられている。オリジナルの建築計画上では現在あるものよりも遥かに高い鐘楼ができる予定であったというが、結果的には世界で最も有名な不等沈下の事例として現在もその姿を保つこととなった。
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