健康格差の縮小効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 05:24 UTC 版)
集団フッ化物洗口にはコクラン共同計画にあるような計画的な研究における実験的な効果のほかに、健康格差の縮小などの公衆衛生的な効果があることが知られている。実験的な研究ではフッ化物洗口液(剤)が配布されるが、現実社会では貧困や時間的・精神的な余裕のなさで継続的にフッ化物洗口液(剤)購入することが難しい人々も多く存在すると考えられる。幼稚園・保育園・学校・職場で集団で実施することで、どのような家庭環境にある人でも平等にう蝕予防効果が得られる。 これは、学校などの環境がう蝕予防に有利に変わるというヘルスプロモーションになり、健康格差の縮小効果が期待される。実際、フッ化物配合歯磨剤(ハミガキ)が普及した今日においても、集団フッ化物洗口実施前の3歳児う蝕の都道府県ランキングと、学校などで実施後の12歳児う蝕の都道府県ランキングを比較すると、洗口の実施率が高い県でランキングの大幅な改善が認められる。基本的に3歳児も12歳児もう蝕のランキングには、社会経済状況が強く関連している。しかしフッ化物洗口がこの社会経済状況が強く関連するランキングをくつがえせる効果を示しているのである。このフッ化物洗口によるう蝕の健康格差緩和効果は学術論文でも確認されている 。
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