他者の意図の理解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/30 06:23 UTC 版)
「ミラーニューロン」の記事における「他者の意図の理解」の解説
多くの研究において、ミラーニューロンを、目標と意図の理解と関連付けている。フォガッシ (Fogassi)らは2005年の研究において、2匹のアカゲザルの下頭頂葉 (IPL)にある41のミラーニューロンの活動を計測した。この、下頭頂葉は長い間、感覚情報を統合する連合皮質であると考えられている。サルは実験者がリンゴをつかみ口へと持っていく行動と、リンゴをつかみカップへと入れるという2種類の行動を観察した。合計で15のミラーニューロンが、"つかんで食べる"動きには活発に反応し、"つかんで入れる"動きにはまったく反応しなかった。また、4ニューロンはその反応とまったく逆の活動パターンを示した。ニューロンの活動を決定するのは、リンゴを操作する際の力学的な力ではなく、行動のタイプのみであるといえる。何故なら、サルのニューロンは実験者の二次的な行動 (リンゴを食べる、または入れる) の前に発火が始まっているからである。したがって、下頭頂葉のニューロンは"行動の組み込まれた最終目標によって異なる方法で、同じ行動 (つかむ) をコードしている"といえる。このことは、他者の次の行動を予測し、意図の情報を得るための神経基盤となっていると考えられる。
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