他群との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/19 23:30 UTC 版)
この属は明らかにユミケカビ属のものに似ており、具体的には以下のような特徴が挙げられる。 胞子嚢柄が匍匐菌糸の途中から出ること。 ケカビなどは匍匐菌糸を出さず、胞子嚢柄は基質上の菌糸から出る。匍匐菌糸を出すので有名なクモノスカビ Rhyzopus の場合、胞子嚢柄は匍匐菌糸の途中からは出ず、必ず末端から出て、その基部には仮根が出る。 胞子嚢はアポフィシスと柱軸があること、胞子が胞子嚢壁の分解で放出されること。 胞子嚢胞子が小さくて無色で筋模様や附属突起などがないこと。 クモノスカビは胞子に筋模様を持つ種が多い。 これらの特徴はまたゴングロネラ属にも共通するが、この属ではアポフィシスが球形に膨らむほか、柱軸が小さい。ケカビ目の胞子嚢は球形のものがほとんどで、本属のものはその形において独特である。同じく球形を大きく逸脱した胞子嚢を作るものにサクセネア Saksenaea があるが、この属のものは口が細い管になったフラスコ型をしている。さらにこの属では胞子嚢壁は丈夫で崩れることなく、内部の胞子嚢胞子は細く突き出した先端部に開く小さな穴からあふれ出る。その点でケカビ目には類例がなく、本属のものは形こそ独特ではあるが、胞子の放出の方法はむしろ普通である。
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