人への臨床応用の開始
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 13:51 UTC 版)
「造血幹細胞移植」の記事における「人への臨床応用の開始」の解説
1939年にOsgoodが骨髄液を再生不良性貧血の患者に輸注した報告があるが、これは後述する前処置を伴わないものであった。現在の治療法に準じる、抗がん剤と全身放射線照射を前処置としては、1957年にトーマスによって白血病の治療に骨髄移植が行われたのが嚆矢と言える。1958年には、同年発生したユーゴスラビアでの原子炉事故の被爆者6名に対して骨髄移植が行われ5名の一時的救命に成功した。これに続いて1968年までに203例の骨髄移植が施行されたが、生着例はわずか11例であった(全体の5.4%)。当時はまだヒト白血球型抗原(HLA)適合性が考慮されず、また生着不全や移植片対宿主病(GVHD)対策に有効な免疫抑制剤が無かったためである。この成功例の少なさから、骨髄移植の実施はいったん減少する。
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