人の王か神の王か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 07:08 UTC 版)
現在残っている記録ではその名にディンギルが付けられており、名を最初に確認できるのが文書「ファラ」内の神名表であることからも、元から「ビルガメシュ神」と呼ばれ、シュメール版では冥界神として神格化される以前から一貫して神として扱われていたことになる。これは神格化したビルガメシュの父ルガルバンダにも同じように神印が付けられていることと、母ニンスンが女神であることから、両親が神ならばその息子ビルガメシュも神である、と考えたからである。だが、「死とどう向き合うか」という叙事詩における最大のテーマを掲げ翻弄するのに、不老不死である神が主人公では物語が成立しないとして、シュメール版以外では「半神半人のギルガメシュ」と呼ぶように調整された。 半神のギルガメシュが叙事詩用にデフォルメされた設定とする前提で、今後ディンギルのないギルガメシュの名が発見されるならば、それは人としてのギルガメシュ王が実在したことを示す確固たる証拠となる。
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