中国語の部屋に対する反論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 20:31 UTC 版)
「中国語の部屋」の記事における「中国語の部屋に対する反論」の解説
サールは中の人が中国語を理解していないことから対象は中国語を理解しているとはいえないと論じているが、チューリング・テストの観点からすると、そう断定するためには中の人間だけでなく、箱全体が中国語を理解していないことを証明しなければならないことになる。すなわち、中の人とマニュアルを複合させた存在が中国語を理解していないことを証明しなければならない。 一方、知能の基準となっている人間の場合でさえ、脳内の化学物質や電気信号の完全な解析が行われず、知能の仕組みが明らかになっていないのだから、中国語の部屋も、中身がどうであれ正しく中国語のやり取りができている時点で中国語を理解していると判断してよいのではという、チューリング・テストの観点からの反論も存在する。以上のような反論に対してサールは、中国語の部屋を体内化して、すなわち部屋の中にある中国語のマニュアルを中の人がマスターし、中国語のネイティヴのように会話ができたとしても、なおその人は意味論的な見地からは中国語を理解していないと主張している。
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