中国古典「矛と盾」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 09:43 UTC 版)
中国語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります。韓非子/難一 『韓非子』難一篇に出てくる故事。「どんな盾も突き通す矛」と「どんな矛も防ぐ盾」を売っていた楚の男が、客から「その矛でその盾を突いたらどうなるのか」と問われ、返答できなかったという話から。もし矛が盾を突き通すならば、「どんな矛も防ぐ盾」は誤り。もし突き通せなければ「どんな盾も突き通す矛」は誤り。したがって、どちらを肯定しても男の説明は辻褄が合わない。 楚人有鬻楯與矛者 譽之曰 吾楯之堅 莫能陷也 又譽其矛曰 吾矛之利 於物無不陷也 或曰 以子之矛 陷子之楯 何如 其人弗能應也 — 『韓非子』難編(一) 楚人に盾と矛とを鬻(ひさ)ぐ者有り。之(これ)を誉(ほ)めて曰(い)はく、「吾が盾の堅きこと、能(よ)く陥(とほ)すなきなり。」と。また、その矛を誉めて曰はく、「わが矛の利(と)なること、物において陥さざるなきなり。」と。あるひと曰はく、「子の矛を以て、子の盾を陥さばいかん。」と。その人応ふること能(あた)はざるなり。 楚の国の人で盾と矛を売る者がいた。この人はこれを誉めて「私の盾は頑丈で、貫くことのできるものはない」と言った。また、矛を誉めて「私の矛は鋭くて、どんなものでも突き通すことができる」と言った。ある人が「あなたの矛でその盾を突き通したらどうなるのですか」といった。商人は答えることができなかった。
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