三法印と大乗仏教
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/11 15:52 UTC 版)
中村元は、三法印は部派仏教のものであり、それに対して、大乗仏教は諸法の実相を説く「実相印」を標幟とするとしている。大乗仏教では部派仏教の三法印とは別に、諸法実相の「一法印」がよく説かれるとされる。中村は実相印を第四の印としている。なお、諸法実相が意味する内容は諸宗派の教学によって異なる。中村は、龍樹(ナーガールジュナ)は三法印のほかに別の法印を立てなかったとしている。袴谷憲昭はエジャートンの『Buddhist Hybrid Sanskrit Dictionary』には“dharmamudrā”の用例が三つしか挙げられておらず、すべて梵文の法華経によるものであると指摘している。また袴谷は、坂本幸男による「小乗教は三法印、大乗は諸法実相印。」という言明について、天台宗の智顗の所説に依っていることを推測している。
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