三木鉄夫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/30 09:55 UTC 版)
三木 鉄夫(みき てつお、1898年10月16日[1] - 1979年4月18日[2])は、日本の機械工学者・航空工学者。大阪府立大学・大阪工業大学名誉教授。工学博士(大阪大学)。元大阪帝国大学工学部航空学科創設者・教授。関西の航空工学研究の第一人者の一人。弟は衆議院議員を務めた三木喜夫[3]。
略歴
兵庫県姫路市出身[1]。1923年東北帝国大学卒業後、愛知時計電機航空機部門(のちの愛知航空機)で海軍関係の飛行機の設計製作に携わる。同社とドイツのハインケル社の提携により、ドイツ留学を経験。日本語による航空工学の著書第1号として、1932年「航空工学」(太陽堂)を出版(のちの第2号は川西航空機・小野正三より出版)。1938年大阪帝国大学工学部に航空学科を創設し[4]、同大学教授。1953年工学博士(大阪大学)[5]。その後、大阪府立大学(現:大阪公立大学)工学部機械工学科教授として航空コースを担当し、同大学航空工学科創設に協力[6]。同大学工業短期大学部長などを経て、大阪府立大学名誉教授。その後、大阪工業大学工学部に移り、機械工学科教授、機械工学教室を担当。1976年大阪工業大学名誉教授[7]。
大阪大学・大阪府立大学・大阪工業大学にて、初期の航空機械工学(のちの航空宇宙工学)研究・育成に貢献した。
主な所属学会は、日本機械学会、日本航空学会(現:日本航空宇宙学会)、日本航空技術協会、大日本飛行協会(現:日本航空協会)など。
主な著書
- 航空工学(単著、太陽堂1932、学術書)
- 飛行機設計 -上巻・下巻(単著、東学社1940、学術書)
- 航空宇宙工学概論 - 初版/再訂版(単著、森北出版1965/1979、学術書)
- 最新基礎構造力学 -1/2/3(共著、森北出版1974-1976、学術書)
主な研究
- 飛行機のカタパルト射出の研究
- 低速・短距離離着陸飛行機の研究:テ号飛行機の開発 - 神戸製鋼所との共同研究
- ファウラーフラップの採用による前縁隙間翼(スラット)および補助翼
- 滑走板の水抵抗に就て[8]
- 立体の外形の表現に2次曲線の利用[9]。
脚注
- ^ a b 『日本人事録 西日本編4版』中央探偵社、1960年、p.1017。
- ^ 『研究者・研究課題総覧 人文・社会科学編 1981年版』日本学術振興会、1981年、人名索引48頁
- ^ 『人事興信録 第25版 下』人事興信所、1969年、み20頁。
- ^ https://www.nagare.or.jp/download/noauth.html?d=37-5_kaiko13.pdf&dir=118
- ^ https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000010625800-00
- ^ https://www.aero-osakafu-u.jp/ootori/鵬ニュースレター_31号.pdf
- ^ https://www.oit.ac.jp/japanese/oit/officer1.html
- ^ https://cir.nii.ac.jp/crid/1390282680691178624?lang=ja
- ^ https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201002027904539978
- 三木鉄夫のページへのリンク