三所物

刀剣用語解説集

三所物（みちころもの）

室町時代末期から江戸時代の上級武士の打刀拵には、所持者の格式や身嗜みを示す目的から小柄・笄が備え付けられたものが多い。本来この両金具は目貫と共に素材や図柄を同じくして一作に造られるもので、目貫・小柄・笄の三点を特に三所物と称している。室町期に製作された三所物でも、拵に装着されていたものは実用の時代を経たことにより消費散失され、後に同図で別の製作になる金具を揃えた合わせ物として伝えられたものが多く、かえってそれが所持者の見識と感性を表わしていて味わい深いものがある。