七物降下湯とは? わかりやすく解説

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七物降下湯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/06 10:19 UTC 版)

七物降下湯(しちもつこうかとう)とは、漢方方剤の一種。本処方は修琴堂処方(大塚敬節創方)、初出は『症候による漢方治療の実際』[1][2]

効果・効能

体力の低下した老人性高血圧症に伴う疲労感、のぼせ傾向、冷え症、頻尿などの愁訴に用いる[3]

保険適用エキス剤の効能・効果

身体虚弱の傾向のあるものの次の諸症:高血圧に伴う随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重)[4]

組成

芍薬(シャクヤク)4.0g、当帰(トウキ)4.0g、黄耆(オウギ)3.0g、地黄(ジオウ)3.0g、川芎(センキュウ)3.0g、釣藤鈎(チョウトウコウ)3.0g、黄柏(オウバク)2.0g

処方名

四物湯に釣藤・黄耆・黄柏が加わった7味からなり、高血圧症に用いられることによるもので、本処方を創製した大塚敬節と親交のあった馬場辰二によって名づけられた[1][2]

慎重投与

  1. 著しく胃腸の虚弱な患者
  2. 食欲不振、悪心、嘔吐のある患者

副作用

食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢など。

薬効薬理

血圧降下作用[4]

  1. 七物降下湯の前投与により、高血圧モデルラット(メチラポン投与と熱ストレス負荷)の血圧上昇が抑制された[5]
  2. 食塩負荷とともに七物降下湯混餌投与したDahl食塩感受性ラットにおいて、収縮期血圧と糸球体傷害スコアが低下した[6]

関連処方

関連項目

脚注

  1. ^ a b 大塚敬節『症候による漢方治療の実際』南山堂、1963年、456-458頁。 
  2. ^ a b 真柳誠「漢方一話:処方名のいわれ42:七物降下湯」『漢方診療』第15巻第2号、1996年、p21、ISSN 0288-3643 
  3. ^ 谿忠人『病名症候と漢方薬便覧』医薬ジャーナル社、1989年、48頁。 ISBN 4-7532-1231-9 
  4. ^ a b ツムラ七物降下湯エキス顆粒(医療用)添付文書、2007年5月改訂版
  5. ^ 丁宗鐵ほか「漢方処方の解析:第29報:実験的動脈硬化に及ぼす漢方方剤の効果」『和漢医薬学会誌』第7巻第3号、1990年、p.p.556、 ISSN 0289-730X 
  6. ^ Hiwara, N., Uehara, Y., et al. (1994). “Antihypertensive property and renal protection by shichimotsu-koka-to extract in salt-induced hypertension in Dahl strain rats.”. Am.J.Chin. Med. 22 (1): p.p.51-62. PMID 8030619. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8030619 2010年2月8日閲覧。. 

七物降下湯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 16:11 UTC 版)

大塚敬節」の記事における「七物降下湯」の解説

昭和28年1953年)、敬節は高度の高血圧によって左眼眼底出血発病し八味丸黄連解毒湯抑肝散炙甘草湯柴胡加竜骨牡蛎湯、解労散など種々の処方試みた好転せずに出血悪化していった。敬節は、東洋医学あらゆる古典精査し当時薬理学参考として高血圧有効な七物降下湯を開発した。本処方服用前に最高血圧150mmHg内外最低血圧100mmHg内外であったものが、服用して1週間で最高120mmHg内外、最低80mmHg内外となった。七物降下湯は、四物湯に釣黄耆黄柏加えたもので、馬場辰二によって命名された。

※この「七物降下湯」の解説は、「大塚敬節」の解説の一部です。
「七物降下湯」を含む「大塚敬節」の記事については、「大塚敬節」の概要を参照ください。

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