ワイルド・ワールドとは? わかりやすく解説

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ワイルド・ワールド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/07 13:59 UTC 版)

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ワイルド・ワールド
キャット・スティーヴンスシングル
初出アルバム『Tea for the Tillerman
B面 遥かなる愛の地
リリース
規格 7インチ・シングル
録音 ロンドン、モーガン・スタジオ(1970年7月)
ジャンル フォークロック
時間
レーベル A&Mレコード
作詞・作曲 キャット・スティーヴンス
プロデュース ポール・サミュエル=スミス
チャート最高順位
ミュージックビデオ
「Wild World」 - YouTube
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ワイルド・ワールド」(Wild World)は、キャット・スティーヴンス1970年に作詞作曲し発表した楽曲。翌1971年にアメリカでシングルカットされヒット。多くのカバー・バージョンを生んだ。

概要

当時スティーヴンスは女優のパティ・ダーバンヴィル(Patti D'Arbanville)と交際していた。ダーバンヴィルとの関係を題材にスティーヴンスはいくつかの曲を書いた。「ワイルド・ワールド」もその中の一つ。録音は1970年7月、ロンドンのモーガン・スタジオで行われた。同年11月発売のアルバム『父と子(Tea for the Tillerman)』に収録された。アルバムはBillboard 200で8位を記録し、ゴールドディスクに認定された。

1971年1月にアメリカでシングルカットされた[1]。B面は「遥かなる愛の地(Miles from Nowhere)」。同年4月10日付のビルボード・Hot 100で11位を記録した[2]。ビルボードのイージーリスニング・チャートで21位、カナダで14位を記録した。

2008年に発売されたアルバム『父と子』のデラックス・エディションにデモ・バージョンと、2007年にロンドンで行ったライブ音源が収録されている。

論争

「ワイルド・ワールド」が女性を見下している作品だと考える批評や音楽ライターは少なくなく、議論を引き起こしている[3][4][5]。端緒となったのはジャーナリストでフェミニストのエレン・ウィリス(Ellen Willis)が書いたエッセイだった[6]

荒っぽくはあるが、歌詞に込められた男たちの査定的な目線と偏見を明らかにする方法がある。それは女性について書かかれた男性の歌を男女反対に置き換えればいい。このテストによれば、「アンダー・マイ・サム」のような罵倒の限りを尽くした曲でさえ、キャット・スティーヴンスの優しくも共感的な「ワイルド・ワールド」と比べれば性差別的とは言えなくなる。ミック・ジャガーのかわいらしい復讐のファンタジーは簡単に女性の視点となり得る。実際、女性の側からのカウンターパートとしてナンシー・シナトラの「にくい貴方」があった。「ワイルド・ワールド」であるが、女が別れた恋人に向かって「悪に満ちた広い世界に出て行くには、あなたはまだ世間知らずで無邪気すぎる」と悲しそうに警告する姿を想像するのは難しい。 —  Willis, Ellen (October 1971). "But Now I'm Gonna Move", page 135-139.

以来、このメソッドは「The Willis test」と呼ばれるようになった[7]

カバー・バージョン

  • ジミー・クリフ - 1970年のシングル。全英シングルチャートで8位を記録。
  • トゥモローズ・チルドレン - 1970年のアルバム『The Going's Great』に収録。
  • ホセ・フェリシアーノ - 1971年のアルバム『That the Spirit Needs』に収録。
  • リル・リンドフォシュ - 1971年のアルバム『Sång』に収録。スウェーデン語詞。タイトルは「En hård värld」。
  • マル - 1971年のアルバム『Mal』に収録。イタリア語詞。タイトルは「Ragazzina senza cuore」。
  • ザ・ジェントリーズ - 1972年のシングル。
  • マッティ・エスコ - 1973年のアルバム『Aikaa sulta pyydän』に収録。フィンランド語詞。タイトルは「On maailma suuri」。
  • ジョナサン・キング - 1987年のシングル。
  • マキシ・プリースト - 1987年のアルバム『Maxi』に収録。翌1988年にシングルカットされ、全米25位、イギリスで5位を記録した。
  • MR.BIG - 1993年のシングル。全米27位を記録。
  • ダミアン・リース - 2008年のアルバム『Catch the Wind - Songs of a Generation』に収録。
  • リーム・リューバニ - 2015年公開の映画『ロック・ザ・カスバ!』のサウンドトラック。
  • ビル・オーヴァートン - 2016年のアルバム『Always in My Heart』に収録。

脚注




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