リーマンの可除特異点定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/30 22:50 UTC 版)
「可除特異点」の記事における「リーマンの可除特異点定理」の解説
ベルンハルト・リーマンによる可除特異点定理は、特異点が除去可能である条件を述べたものである。 定理 (Riemann) ガウス平面上の開集合 D と D の一点 a および D ∖ {a} 上で定義される正則函数について、以下の条件は互いに同値である:f は a に正則に延長できる。 f は a に連続的に延長できる。 a の適当な近傍において f は有界。 lim z → a ( z − a ) f ( z ) = 0 {\displaystyle \lim _{z\to a}(z-a)f(z)=0} . 主張の強さが 1 ⇒ 2 ⇒ 3 ⇒ 4 となることは明らか。4 ⇒ 1 を示すのに、まずは点 a における正則性が a における解析性(冪級数表現を持つこと)と同値であったことを想起しよう。函数 h ( z ) = { ( z − a ) 2 f ( z ) z ≠ a , 0 z = a . {\displaystyle h(z)={\begin{cases}(z-a)^{2}f(z)&z\neq a,\\0&z=a.\end{cases}}} を考えれば明らかに h は D ∖ {a} で正則で、条件 4 から h ′ ( a ) = lim z → a ( z − a ) 2 f ( z ) − 0 z − a = lim z → a ( z − a ) f ( z ) = 0 {\displaystyle h'(a)=\lim _{z\to a}{\frac {(z-a)^{2}f(z)-0}{z-a}}=\lim _{z\to a}(z-a)f(z)=0} が存在するから h は D で正則、従って a の周りでのテイラー展開 h ( z ) = a 0 + a 1 ( z − a ) + a 2 ( z − a ) 2 + a 3 ( z − a ) 3 + ⋯ {\displaystyle h(z)=a_{0}+a_{1}(z-a)+a_{2}(z-a)^{2}+a_{3}(z-a)^{3}+\cdots } ができる。ここで a0 = h(a) = 0 および a1 = h′(a) = 0 であるから g ( z ) = a 2 + a 3 ( z − a ) + a 4 ( z − a ) 2 + ⋯ {\displaystyle g(z)=a_{2}+a_{3}(z-a)+a_{4}(z-a)^{2}+\cdots } が f の a への正則な延長となり主張が完成する。
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