リトルの法則の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/18 19:33 UTC 版)
カウンター 1 台と、商品を見るスペースがある小さな小売店を考える。一度に 1 人の客しかカウンターの前に行くことができず、商品を買わずに立ち去ることはないとすると、この系は大まかに以下の状態を持つ。 入店 → 商品の閲覧 → カウンター → 退出 これは安定した系であり、一定時間に顧客が店に入る割合は、カウンターに行く割合、店を出る割合に等しい。これを到着率とする。 リトルの法則により、店内にいる顧客の平均的な数 L は、到着率 λ に 顧客が店内で過ごす平均時間 W を掛けたものになる。 L = λ W . {\displaystyle \,L=\lambda W.} 顧客が 1 時間当たり 10 人到着し、平均的に 0.5 時間店内に滞在するとすると、平均的な店内の顧客数は 5 人である。 店がもっと宣伝を行って、平均到着率を 1 時間当たり 20 人に引き上げようと考えたとする。すると、店は平均 10 人の客が滞在しても大丈夫なようにするか、各顧客が店内で過ごす時間を半分の 0.25 時間に減らさなければならない。後者は、店は支払いの時間を短くしたり、商品を眺めている顧客に「何かお探しですか?」と尋ねたりすることで、これを達成できるかもしれない。 リトルの法則は店の中の系にも適用することができる。たとえば、カウンターとその待ち行列である。平均的に 2 人の客がカウンターの前に並んでいるとすると、平均到着率が 1 時間当たり 10 人であるので、平均 0.2 時間会計に費やしていることがわかる。 さらに、リトルの法則をカウンターそのものに適用することもできる。カウンター前には一度に1人の客しかいられないので、カウンター前にいる人数の平均は、0~1 の間である。この場合、この数字がいわゆるカウンターの利用率 (utilization) になる。
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