ラダー近似
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 14:23 UTC 版)
「ベーテ・サルピータ方程式」の記事における「ラダー近似」の解説
原理的には K は、二つの構成粒子の間に起こり得る全ての二粒子既約相互作用を含んでいる。したがって、実用的な計算を行うにはこれをモデル化し、そのうちの一部のみを選択する必要がある。量子場理論の枠組みでは、相互作用は粒子の交換(たとえば量子電磁力学では光子の交換、量子色力学ではグルーオンの交換)により記述されるため、最も単純な(最低次の)相互作用は媒介粒子を一つだけ交換するものとなる。 ベーテ・サルピータ方程式は相互作用を無限回足し上げるので、相互作用カーネルとして最低次の1粒子交換のみ考えると、結果としてファインマンダイアグラムはラダー(はしご)状になる。この近似をラダー近似という。 量子電磁力学ではラダー近似は単純すぎて様々な問題があり、クロスラダー項を含める必要が生じるのに対して、量子色力学の場合は、この近似がカイラル対称性の破れを考慮しており、ハドロン質量の生成の重要部分をふまえているため、ハドロンの質量の計算に非常によく用いられる。
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