ライバル・吉田実
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/14 05:06 UTC 版)
石田を語る上において、吉田実の存在は何といっても欠かせない。 そもそも2人は同年齢であり、生誕日はむしろ吉田のほうがわずかに早い上に地元で少年時代に草レースで鳴らしたという輝かしい経歴を持っていた。つまり、少年時代にこれといったスポーツ歴もなかった石田とは雲泥の差があった。 しかし選手登録はわずかに石田のほうが半年早かったことから、吉田は石田に対して、「石田さん」と敬語を使い、一方、石田のほうはそうした呼び方をしなかった。もっとも、先に特別競輪(現在のGI)のタイトルを手にしたのは石田のほう(1955年の競輪祭)で、吉田にしてみれば、当初、石田に対して「憧れ」があったのかもしれない。その意味で、石田に敬意を示していたと思われる。 しかし後に永遠のライバルとなっていく。そして、二人の性格がまるで違っていたというエピソードがある。 几帳面な吉田はいつも用意周到に事を進めねば気がすまない性格なのに対し、吉田と正反対の性格の石田は、出発直前になっても旅支度をしていたというほど。そして脚質も全く異なり、3.50台の軽いギアを中心にレースを行っていたダッシュ型の吉田に対し、石田は大ギアを駆使した典型的な地脚型だった。したがって、吉田はダッシュに優れてはいたものの末が持たないという特徴があり(中野浩一とよく似たタイプといえる)、対して石田はダッシュはイマイチだが、一度スピードに乗せてしまうと後続はなかなか抜けないという走り方だった。
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