ヨーロッパ・中東地域の狭間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 09:18 UTC 版)
ヨーロッパなどにも、矢や銃を発射するための狭間があり、アロースリット(英: arrowslit、矢狭間)やループホール (loophole) という。フランス語ではメルトリエール(meurtrière、殺人孔)という。 似たようなものにクレノー (créneau) がある。通常、メルロン(merlon、小壁体の間)でない開口部をクレノーといい、クレノーもまた狭間を意味するフランス語である。城壁に各種のループホールが切られた。 アロースリットは、紀元前212年から214年に、シラクサ包囲に対抗するアルキメデスによって発明されたものの一つである。12世紀後半に見直され、13世紀に一般化した。 縦方向に長く切ったものや短い縦長方形の狭間を始めとして、十字に切ったものや横に長く切ったものもある。縦長の狭間は矢狭間で、日本式の狭間と機能や用途は同じである。横長の狭間は弩用の狭間である。敵からの攻撃を防御しながら、長弓兵と弩弓兵が射角を得るためフィッシュテイルという三角形の空間を設けている。水平の隙間は、射撃手の視界のためのものである。ループホール、クレノーにはアンブラジュールと呼ばれる狭間の蓋が取り付けられ、日本城郭の袴形の石落しのように上部を覆うだけのものから回転式で開閉するものもある。
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