ヤン・ミルズ理論の重要性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/07 15:10 UTC 版)
「ヤン–ミルズ方程式と質量ギャップ問題」の記事における「ヤン・ミルズ理論の重要性」の解説
4次元で最も有名かつ非自明な(つまり相互作用を持つ)場の量子論は、カットオフ(英語版)スケールを持つ有効場の理論である。ほとんどのモデルに対しベータ関数は正であるから、そのようなモデルの殆どはランダウ極(英語版)(Landau pole)を持つと思われる。何故ならそれらが非自明なUV固定点(英語版)を持つか否かは全く明らかでないからである。このことから、もしそのような場の量子論がすべてのスケールでwell-definedならば(公理的場の量子論(英語版)の公理を満たすなら当然その筈だが)、その理論は自明(つまり自由場の理論)でなければならないことが分る。 しかし、非可換なゲージ群を持ちクォークを持たない量子ヤン=ミルズ理論(英語版)はこの例外である。なぜなら、そのような理論は漸近的自由性を持つので、自明なUV固定点が存在するからである。従って、これが 4次元で最も単純かつ非自明で構成的な量子場理論となる。因みに量子色力学(QCD)はクォークを持つので、より複雑な理論である。
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