ベイリー夫妻とは? わかりやすく解説

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ベイリー夫妻

(モーリス・ベイリーとマラリン・ベイリー から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/10 13:30 UTC 版)

ベイリー夫妻こと、モーリス・ベイリーMaurice Bailey)とマラリン・ベイリーMaralyn Bailey)はイギリス人の夫婦。1973年太平洋をゴム製のいかだで118日間漂流した後に救助された経験を持つ。

マラリン・ベイリーは1941年4月24日にイギリスノッティンガムに、マラリン・ハリソン(Maralyn Harrison)として生まれた。マラリンとモーリスは1963年に結婚した。

117日間の漂流

ベイリー夫妻のサバイバル物語は、本来の日数より短い『117 Days Adrift』(117日間の漂流)という題名で出版された。これは最初のニュース記事の見出しが間違っていたためで、報道との一貫性を保つために「117日」のままで出版された。

ベイリー夫妻の旅は、イングランドサウサンプトンから9.4メートルのヨットAuralyn』に乗って出発したのが始まりだった。目的地はニュージーランドであった。彼らは2月にパナマ運河を無事通過し、ガラパゴス諸島に向かう途中であった。1973年3月4日夜明けに、ヨットがクジラ1頭に衝突し、深刻な損傷を受けた。ベイリー夫妻は救命いかだディンギーを展張し、ある程度の食料とコンパス、その他を含む物資をいかだに移して回収した後、『Auralyn』が波の下に姿を消すのを見届けた。彼らは生き残るために雨水を集め、わずかな食料がなくなってからは素手や釣り針に加工した安全ピンで捕らえたカメ海鳥、魚といった海の生き物を食べた[1]

夫婦は太平洋を漂流している最中、船を合計7隻見たが、発煙筒がうまく機能せず、また緊急キットに信号鏡が含まれていなかったために、船の注意を引けなかった。救命いかだは徐々に壊れ始め、たびたび空気を入れ直す必要が生じた。漂流の最初のうちは読書をしたりトランプで遊んだりしたが、後には栄養失調と床との摩擦による痛みにひどく苦しんだ。後者はいかだの床が濡れた状態だったために悪化した。彼らはサメイルカにも遭遇し、激しい嵐にも耐えねばならなかった。

ベイリー夫妻は約2,400キロメートル漂流した後、1973年6月30日に韓国漁船Weolmi 306』の乗組員によって救助された。船ははじめいかだを通り過ぎてしまったが、その後いかだを発見し、夫妻を救助した。夫婦は衰弱した状態で救助された。2人とも約18キログラムも痩せ、立つことがやっとの状態であった。『Weolmi 306』は彼らをハワイホノルルに連れて行った。

その後

ベイリー夫妻はイングランドに戻り、『117 Days Adrift』という題名で自身の漂流記をまとめた。1974年にAdlard Coles Nauticalによって本が出版された(アメリカでは題名が『Staying Alive!』となった)。翌年に、彼らは新しいヨット『Auralyn II』で海に戻った。

マラリン・ベイリーは2002年に61歳で死去し、モーリス・ベイリーは2018年12月に死去した[2][3]

脚注

  1. ^ 「漂流者は何を食べていたか」椎名誠著, 日刊現代, (2021) 
  2. ^ Maurice Bayley, who survived 117 days lost at sea with his wife, dies aged 85, NZ Herald, (2019) 
  3. ^ Brit who survived 117 days lost at sea on raft with his wife dies aged 85, (2019) 

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