ミクロ系の物理学との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 00:00 UTC 版)
熱力学は多くの場合に古典力学や量子力学といった通常は少数系の問題を扱う「ミクロ系の物理学」では扱うのが非常に困難な多体系、それもアボガドロ数にも及ぶような多体の問題に適用される。したがって、ミクロ系の物理学では予想できないような結果を予測する理論として機能するが、全く独立な理論かといえばそういうわけでもなく、たとえば「エネルギー」といった概念は両者で使用される共通の概念になる。また、そういった概念も名前上の共通性にとどまらず、エネルギー保存則などの物理的法則も共通して存在し、互いに矛盾しないような内容になっている。 この共通性を両者に普遍的な自然法則として解釈するのか、本来個別であるべきだが偶然共通に見えているのかといった自由がある。前者に近い立場をとり、そうした普遍性をミクロ系の物理学のものと考える立場を 古典力学などのミクロ系の物理学の知識を用いる方法 と、また、後者に近い立場をとって、個別なものとして議論する立場を ミクロ系の物理学の知識を用いず、熱力学だけで閉じた理論体系として論じる方法 として清水では紹介している。
※この「ミクロ系の物理学との関係」の解説は、「熱力学」の解説の一部です。
「ミクロ系の物理学との関係」を含む「熱力学」の記事については、「熱力学」の概要を参照ください。
- ミクロ系の物理学との関係のページへのリンク