ホワイトホールの実在性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 02:27 UTC 版)
「ホワイトホール」の記事における「ホワイトホールの実在性」の解説
ホワイトホールの存在は決定的ではないが、2006年に観測されたGRB 060614は初めてホワイトホールの存在を示唆した。 ホワイトホールはあらゆる物質を放出する天体と定義される[要出典]。しかし、この定義では、ホワイトホールはやがては物質を放出しつくし消滅してしまう。このため、かつては「ホワイトホールが発見されていないのは、既に全部消滅したから」と説明されてきた。だが、この説明どおりにホワイトホールを解釈すると、ビッグバン以前にホワイトホールは既に存在していなければならない、という矛盾が発生する。また、ブラックホールとホワイトホールが、一方通行のワームホールを通じて繋がっているため、ブラックホールに吸い込まれた物質が、ホワイトホールから放出される、という仮説も存在するが、この仮説にはブラックホールに吸い込まれた物質がその後どうなるのかについて説明できない、という矛盾も存在している。これらの点から、ホワイトホールは数学的解釈により想像された架空の天体に過ぎず、現実には存在しない、とする説が支持されている。 ブラックホール熱力学は、ホーキング放射によってブラックホールが最終的には蒸発することを予言するが、このプロセスも時間反転に対して対称であるため、熱的平衡にあるブラックホールの時間反転解もブラックホール解である。そうであるなら、ブラックホールとホワイトホールは同じ天体として解釈され得る。
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