ペタシンとは? わかりやすく解説

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ペタシン

分子式C20H28O3
その他の名称ペタシン、Petasin、(Z)-2-Methyl-2-butenoic acid (1R)-1,2,3,4,6,7,8,8a-octahydro-1β,8aβ-dimethyl-7α-(1-methylethenyl)-6-oxonaphthalen-2α-yl ester(Z)-2-Methyl-2-butenoic acid [(3S)-3α-isopropenyl-4aβ,5β-dimethyl-2,3,4,4a,5,6,7,8-octahydro-2-oxonaphthalene]-6α-yl ester
体系名:(Z)-2-メチル-2-ブテン酸[(3S)-3α-イソプロペニル-4aβ,5β-ジメチル-2,3,4,4a,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-オキソナフタレン]-6α-イル(Z)-2-メチル-2-ブテン酸(1R)-1,2,3,4,6,7,8,8a-オクタヒドロ-1β,8aβ-ジメチル-7α-(1-メチルエテニル)-6-オキソナフタレン-2α-イル


ペタシン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/28 05:30 UTC 版)

ペタシン
識別情報
CAS登録番号 26577-85-5 
PubChem 5281526
ChemSpider 4444859
特性
化学式 C20H28O3
モル質量 316.43 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ペタシン(petasin)は、フキ属(Petasites )に見られる天然の化合物である。化学的には、アンゲリカ酸のペタソールエステルで、セスキテルペンに分類される。

概要

日本原産であるフキに多く含まれる化合物。

人への作用

岐阜大学大学院の平島一輝特任助教らの研究グループはこのペタシンに抗がん効果があることを発見した。ペタシンは乳がん胃がんなどほぼ全てのがんに対して効果がある他、従来の抗がん剤と異なり正常な細胞への副作用が抑えられることも特筆される。

作用

ペタシンは細胞の栄養素を取り込むために必要なミトコンドリア呼吸鎖複合体ETCC1を阻害する。このペタシンのETCC1阻害はがん細胞に特徴的なエネルギー代謝を阻害し選択的にがん細胞を阻害する。ETCC1阻害という方法での抗がん剤への実用化自体は元から存在していたが通常細胞の代謝も阻害し副作用が強く出るためから実用的ではなかった。だがペタシンは選択的に阻害するため通常細胞への影響は少なくがん細胞には強い阻害作用を発揮する。[1][2]

出典

  1. ^ 日本原産フキノトウからがんの増殖・転移を強く抑制する物質を発見。”. 岐阜大学. 2021年9月2日閲覧。
  2. ^ Heishima, Kazuki; Sugito, Nobuhiko; Soga, Tomoyoshi; Nishikawa, Masashi; Ito, Yuko; Honda, Ryo; Kuranaga, Yuki; Sakai, Hiroki et al. (2021-09-01). “Petasin potently inhibits mitochondrial complex I–based metabolism that supports tumor growth and metastasis” (英語). Journal of Clinical Investigation 131 (17): e139933. doi:10.1172/JCI139933. ISSN 1558-8238. https://www.jci.org/articles/view/139933. 


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