ベクトル空間構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/08 06:00 UTC 版)
V ≅ (Z/pZ)n を基本アーベル群とする。Z/pZ ≅ Fp は p-元体ゆえ、V = ≅ (Fp)n は n-次元 Fp-ベクトル空間と見なせる。基本アーベル群が一般には標準基底を持たないことに注意すべきである—同型 V ≅ (Z/pZ)n は基底のとり方に依存する。 注意深く議論を進めるならば、ベクトル空間 (Fp)n が群 V よりも多くの構造をもともと備えていることは留意すべきである。特に群演算(加法)—それはベクトルの和と解釈できる—に加えて、スカラー倍が定まっている。しかし、アーベル群としての V は一意な Z-加群構造—Z の作用は各元の反復和に対応する—を持ち、この Z-加群構造は Fp によるスカラー乗法と両立する。すなわち、c ∈ Fp に対し(c を 0 ≤ c < p なる整数に持ち上げて)c⋅g := g + g + ⋯ + g(右辺は c 個の和)とすれば V に自然な Fp-加群構造が入る。
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