フォード・グラナダ (ヨーロッパ)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > フォード・グラナダ (ヨーロッパ)の意味・解説 

フォード・グラナダ (ヨーロッパ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/20 01:23 UTC 版)

グラナダGranada )はイギリス西ドイツフォード欧州部門が1972年から1994年まで製造販売した中型乗用車である。1985年に登場した3代目はドイツではスコーピオと改名され、グラナダの名は消滅したが、イギリスではグラナダの名前で1994年まで生産・販売された。

概要

初代 (1972年-1977年)

フォード・グラナダ(初代)
概要
販売期間 1972年1977年
ボディ
ボディタイプ 2/4ドアセダン
5ドアステーションワゴン
2ドアクーペ
車両寸法
ホイールベース 2,718 mm[1]
全長 4,572 mm
全幅 1,791 mm
全高 1,369 mm[2]
車両重量 1,190-1,430 kg
テンプレートを表示

1972年3月に登場。それまで欧州フォードの上級車は英国ではゼファー・ゾディアック、西ドイツではタウヌス17M/20M/26Mという全く別のモデルが生産されていたが、1967年のエスコートに始まり、1969年のカプリ、1970年のタウヌス13-15M/コーティナと進行してきた英独生産モデルの統合が、このグラナダの登場によって完結した。なお、デビュー当初は廉価版は「コンサル(Consul)」という、英国フォードで長年使われた名称が与えられて別車種とされていたが、1975年には全車種が「グラナダ」に統一された。

グラナダは機構的には既存フォード各車の方式を踏襲していた。エンジンはイギリス生産車ではV型4気筒2,000cc、V型6気筒2,500/3,000ccのいわゆる「エセックス」エンジンが搭載され、ドイツ生産車にはタウヌス17Mに用いられていたV型4気筒1700cc、V型6気筒2,000/2,300/2,600ccの「ケルン」エンジン、そして英国と同じV6・3000ccが積まれていた。ドイツ生産車のV4エンジンは1974年に、アメリカのピント用に開発・生産されていた直列4気筒エンジンに置き換えられた。サスペンションはタウヌス13-17M/コーティナと同じ形式で、前が欧州フォードが開発したマクファーソン・ストラットではなくダブル・ウィッシュボーンの独立、後はコイルスプリングで吊られた固定軸であった。ゼファー・ゾディアックのブレーキは当時としては珍しい4輪ディスクであったが、グラナダでは後輪はタウヌス17M/20M/26M と同じく、ドラムに戻された。

ボディバリエーションには2ドア・4ドアセダン、5ドアワゴン、2ドアクーペがあった。クーペは当初コークボトル型の丸みを帯びたスタイルで西ドイツでのみ販売され、英国では売られなかったが、1974年にシリーズ全体がマイナーチェンジを受けた際に直線的なスタイルに改められ、英国でも最上級の「ギア」(従来の「GLX」から改称)仕様に限って販売されるようになった。

グラナダは南アフリカでも生産され、現地の道路事情に合わせてV8エンジン搭載車も作られた。また、日本にも1973年頃まではディーラーの近鉄モータースニューエンパイヤモーターなどから輸入されていた。

2代目 (1977年-1985年)

フォード・グラナダ(2代目)
概要
販売期間 1977年1985年
ボディ
ボディタイプ 2/4ドアセダン
5ドアステーションワゴン
パワートレイン
変速機 4/5速MT
3速AT
車両寸法
ホイールベース 2,769 mm
全長 4,720 mm(セダン)
全幅 1,791 mm
全高 1,416 mm(セダン)
系譜
後継 フォード・スコーピオ(英国外)
ヒュンダイ・グレンジャー(韓国)
テンプレートを表示

1977年8月に登場した二代目は車体を角張らせ、内容を改良したもので、ビッグマイナーチェンジに近いものであった。5ドアワゴンは旧型の車体後半を流用していたほどである。旧型との最大の相違点は、イギリス向けにも2,300/2,800ccの「ケルン」V6エンジンが、設計の古い「エセックス」に換えて搭載されたことで、単なるクーラーではない完全なエアコンも装備可能になり、2800ccモデルへの燃料噴射の採用も行われ、リアスポイラーや軽合金ホイールを装備したスポーティモデルとして売られた。プジョー・504/505と同じディーゼルエンジンを搭載したものも、主にタクシー向けに比較的少数が生産された。また、マークⅡからは英国向けも含めて全てのグラナダがドイツ製となった。また、2ドアクーペはマークⅠ限りで消滅した。

1982年にはマイナーチェンジを受け、フロントグリルを空気抵抗の少ない形に変更し、騒音・振動・ショック(NVH)低減が行われた。イギリス向けにはコノリー製本革シートを装備した最上級の「ギアXエグゼクティブ」も追加された。

日本へも1980年代半ば、少数輸入車枠を利用して近鉄モータースが2.8iの輸入を再開した。また、韓国の現代自動車でもOEM生産され、そこから東南アジア諸国へも輸出された。

3代目 (1985年-1994年)

フォード・グラナダ(3代目)
概要
販売期間 1985年 - 1994年
ボディ
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアハッチバック
駆動方式 後輪駆動
パワートレイン
変速機 5速MT
4速AT
車両寸法
ホイールベース 2,769 mm
全長 4,673-4,744 mm
全幅 1,760 mm
全高 1,440 mm
車両重量 1,380 kg
系譜
後継 フォード・スコーピオ(2代目)
テンプレートを表示

フォード・スコーピオ#初代 (1985年-1994年)も参照のこと。

1985年8月にモデルチェンジされ、ワゴンが廃止された代わりに弟分のシエラにも似た5ドアハッチバックが追加された。名称もイギリスとアイルランド向け以外はスコーピオと改名された。

脚注

注釈

出典

  1. ^ Culshaw; Horrobin (1974). Complete Catalogue of British Cars. London: Macmillan. ISBN 0-333-16689-2 
  2. ^ “New BIG Fords”. Autocar. 136 (nbr 3960): 6–11. (9 March 1972). 



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フォード・グラナダ (ヨーロッパ)」の関連用語

フォード・グラナダ (ヨーロッパ)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フォード・グラナダ (ヨーロッパ)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフォード・グラナダ (ヨーロッパ) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS