フィッシャーマンズ・スープレックスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > フィッシャーマンズ・スープレックスの意味・解説 

フィッシャーマンズ・スープレックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/03 02:28 UTC 版)

フィッシャーマンズ・スープレックスFisherman's Suplex)は、プロレス技の一種でスープレックスの一種として扱われている。日本名は投網式原爆固め(とあみしきげんばくがため)、網打ち式原爆固め(あみうちしきげんばくがため)。

概要

ブレーンバスターの要領で相手の頭部を片腋に抱え込み、密着した相手の腕を自分の頭の後ろへ持って行く。その態勢で自分の反対側の腕で相手の片腿を抱え込み後方へスープレックスして固める。そのままフォールする際には頭部を抱えた手と片足を抱えた腕をクラッチして相手を固定するのが定石である。

日本での初公開は1982年10月8日、新日本プロレス後楽園ホール大会において、小林邦昭がメキシコ修行からの凱旋試合(木戸修とタッグを組んでの対ジョニー・ロンドス&シルバー・ハリケーン戦)で使用。しかし小林によると、この技は小林自身が考案したものではなく、メキシコ修行中の1982年頃、興行の第1試合で無名の若い選手が使っていたのを見て「"この技いいな。日本じゃ誰も使ってないぞ" ってパクったんです」と語っており、すぐに練習して翌日の試合に使ったのが始まりだったという[1]

技名は技を仕掛けるフォームが投網を引き上げる漁師の姿をイメージさせることから、実況アナウンサーの古舘伊知郎が命名した。

小林は1985年に週刊プロレス誌上で、相手の頭部を片腋に抱え込む代わりに相手の片腕の手首を掴んで極めた状態で投げるフィッシャーマン85を公開していたものの、実戦で使用されることはなかった[2][3]。ただ、1986年11月23日の後楽園ホールでのヒロ斎藤世界ジュニアヘビー級王座に挑戦した試合で、頭部を抱え込んでいた腕で相手の腕までも同時に抱え込んで投げるニュー・フィッシャーマンズ・スープレックスで勝利している[3]

主な使用者

派生技

リストクラッチ・フィッシャーマンズ・スープレックス

府川唯未サブマリーナ・スープレックスの名称で使用しているオリジナル技。フィッシャーマンズ・スープレックスのクラッチに加え、相手の抱え込んだ足とは反対側の腕を相手の股間下を外側から内側に向けて通し、その手首を腿を抱えた自らの腕で掴んで仕掛けるフィシャーマンズ・スープレックス。

フィッシャーマンズ・バスター

獣神サンダー・ライガーが考案した投げっ放し式フィッシャーマンズ・スープレックス。ライガーは相手や場面によって落とす角度を調整しており、ここ一番では垂直落下式、雪崩式を使用している。

主な使用者はマグニチュード岸和田マンドリラーの名称で使用)、土方隆司潮崎豪などがいる。

ただ1979年の全日本プロレス世界最強タッグに来日にしたミスター・レスリングが、相手の頭部を抱え込んだ腕と片足を抱え込んだ腕とをガッチリとクラッチした状態で抱え上げて投げる形で披露していたが[4][5]、フィニッシュホールドとしては使われていなかったためかこの当時はこのような技名で呼ばれることはなかった。また1989年の全日本プロレスチャンピオンカーニバルに来日したハーリー・レイスも同じ状態で抱え上げて投げそのままフォールした技が当時フィッシャーマンズ・バスター・ホールドと呼ばれたこともあった[5]

リストクラッチ・フィッシャーマンズ・バスター

田中稔が「ヒート」と名乗っていた時期に考案した投げっ放し式リストクラッチ・フィシャーマンズ・スープレックス。ここ一番では垂直落下式を使用している。

主な使用者は土方隆司スーパー・フィッシャーマンズ・スープレックスの名称で使用)。

クロスレッグ・フィッシャーマンズ・バスター

HUBが「スペル・デメキン」と名乗っていた時期にデメキン・バスターの名称で使用しているオリジナル技。相手の右足を捕らえて、左足と交差させるように抱え込みながら放つフィッシャーマンズ・バスター。

主な使用者はケニー・オメガ蒼い衝動の名称で使用)、大森北斗無想一閃の名称で使用)。

フィッシャーマンズ・ドライバー

丸藤正道ポールシフトの名称で使用しているオリジナル技。フィッシャーマンズ・スープレックスの体勢で抱え上げた後、相手を表裏反転させながらボディスラムの要領で抱え直して、自分の両足を前方へ開脚させながら尻餅を着くように着地と同時に相手を頭部から突き刺すように落とす。

ゴリラーマンズ・スープレックス

橋誠のオリジナル技。リストクラッチ・フィシャーマンズ・スープレックスの類似技。自分の片腕を相手の片腿の下を通し、相手の片手首を掴む。その状態で相手の頭部をもう片方の腋に抱えてかけるフィシャーマンズ・スープレックス。

ゴリラーマンズ・バスター

橋誠が考案した投げっ放し式ゴリラーマンズ・スープレックス。ここ一番では垂直落下式を使用している。

ゴリラーマンズ・ドライバー

橋誠のオリジナル技。ゴリラーマンズ・スープレックスの体勢で抱え上げた後、相手を表裏反転させながらクラッチして、自分の両足を前方へ開脚させながら尻餅を着くように着地と同時に相手を背面もしくは後頭部から叩きつける。

スターネス・ダストα

秋山準のオリジナル技。ブレーンバスターの体制で組んだあと、相手の外側の足を取ってリストクラッチして放つ垂直落下式リストクラッチ・フィッシャーマンズ・バスター。

スターネス・ダストγ

秋山準が考案した垂直落下式リストクラッチ・フィッシャーマンズ・バスター。

ロックスター・バスター

青柳優馬のオリジナル技。相手をキャプチュードの様に片足を内側から抱え込むようにクラッチして担ぎ上げ、垂直落下で突き刺すフィッシャーマン・バスター。

かつて石井慧介との世界ジュニアヘビー級王座戦用に開発した技。命名はすぐにはせず、2017年の1月2日に技名を公開した。青柳のニックネームでもある「ロックスター」を冠した名前とした。

ザ・フール

青柳優馬のオリジナル技。相手の右足を抱えながら担ぎ上げ、その場で旋回しながら倒れ込んで叩きつける旋回式ロックスター・バスター。

キー・クラッシャー'99

ロウ・キーのオリジナル技。フィッシャーマンズ・スープレックスで抱え上げた後、相手の表裏を反転させみちのくドライバーIIの要領で前方へ両足を広げながら尻餅を着くように着地し、同時に相手を背面や後頭部辺りからマットへ叩きつける。

MAZADA正田落としの名称で使用)、ミラクルマンミラクル・スパイラルの名称で使用)、上谷沙弥スター・クラッシャーの名称で使用)。

脚注

  1. ^ “虎ハンター”小林邦昭ヒストリー<10>「フィッシャーマンズ・スープレックス誕生秘話」”. スポーツ報知. 2023年1月31日閲覧。
  2. ^ 『週刊プロレス105号』ベースボールマガジン社、1985年8月13日。 
  3. ^ a b 団塊Jrプロレスファン列伝 フィッシャーマンズ・スープレックスを辿る旅~小林邦昭編~”. Ameba. 2023年1月31日閲覧。
  4. ^ 『プロレス・アルバム45 ガッツ・シリーズNo.11 超大技からオモシロ技まで 必殺技大集合』恒文社、1984年6月15日。 
  5. ^ a b 団塊Jrのプロレスファン列伝 フィッシャーマンズ・スープレックスを辿る旅~祖先編~”. Ameba. 2023年1月31日閲覧。

関連項目


フィッシャーマンズ・スープレックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 20:30 UTC 版)

ブレーンバスター」の記事における「フィッシャーマンズ・スープレックス」の解説

ブレーンバスターホールド放つ際、相手片脚膝裏からふくらはぎ辺り抱えて投げる。別名、網打原爆固め主な使い手は、小林邦昭若手レスラーフィニッシュとして使うことも多い。カート・ヘニングWWF時代自分ギミックをもじって「パーフェクト・プレックス」と称して使用

※この「フィッシャーマンズ・スープレックス」の解説は、「ブレーンバスター」の解説の一部です。
「フィッシャーマンズ・スープレックス」を含む「ブレーンバスター」の記事については、「ブレーンバスター」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「フィッシャーマンズ・スープレックス」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フィッシャーマンズ・スープレックス」の関連用語

フィッシャーマンズ・スープレックスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フィッシャーマンズ・スープレックスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフィッシャーマンズ・スープレックス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのブレーンバスター (改訂履歴)、田口隆祐 (改訂履歴)、テリー・ゴディ (改訂履歴)、菊地毅 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS