ファンタスティック・マックとは? わかりやすく解説

ファンタスティック・マック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/18 15:20 UTC 版)

『ファンタスティック・マック』
フリートウッド・マックスタジオ・アルバム
リリース
録音 ロサンゼルス、サウンド・シティ・スタジオ(1975年1月 - 2月)
ジャンル ロック
時間
レーベル リプリーズ・レコード
プロデュース フリートウッド・マック
キース・オルセン
専門評論家によるレビュー
  • All Music Guide link
チャート最高順位
  • 第1位(Billboard 200
  • フリートウッド・マック アルバム 年表
    クリスタルの謎
    (1974年)
    ファンタスティック・マック
    (1975年)

    (1977年)
    テンプレートを表示

    ファンタスティック・マック』(原題: Fleetwood Mac)[1]は、フリートウッド・マックが1975年に発表したアルバムBillboard 200の1位を記録した。

    ローリング・ストーン』誌が選んだ「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」(2012年版)において182位にランクインした[2]

    解説

    前年の1974年に、イギリスからアメリカに活動拠点を移し、ザ・ミュージック・マシーンなるバンドのベース奏者だった、キース・オルセンをプロデューサーに据えて制作された。同作でフリートウッド・マックは商業的成功をつかんだ最初のアルバムである。

    1974年12月、フロントマンであったボブ・ウェルチが脱退し、バンドは3人になってしまっていた。その頃、あるスタジオで新アルバムの録音エンジニアのオーディションをしていたミック・フリートウッドジョン・マクヴィーは、このアルバムのエンジニア、キース・オルセンがオーディションに持ち込んだ作品によって当時「バッキンガム・ニックス」という名のデュオとして活動していたリンジー・バッキンガムスティーヴィー・ニックスを知る。ミックは、新たなメンバーとして2人にバンドへの参加を要請し、程なく2人はバンドに合流した。

    新たな編成になったフリートウッド・マックは、ニックス・リンジー・クリスティンの3人がソングライター、ボーカリストとしてバンドを引っ張るようになった。アルバムの録音は3ヵ月ほどかけられた。そうして作成されたこのアルバムでは、音楽性がよりポップな方向へと変わっていた。「オーヴァー・マイ・ヘッド」「リアノン」「セイ・ユー・ラヴ・ミー」の3曲がトップ20ヒットになり、アルバムは、フリートウッド・マック初のビルボード1位(1週/1976年9月4日付)を獲得した。ビルボードアルバムチャートにおいて、チャートインから58週目に1位になるという珍しい記録もある(ただしチャート1位の座にあったのは、わずかに1週間だった)。完成したアルバムを聞いたワーナー・ブラザースの幹部はアルバムの出来に興奮して25万枚売れるだろうと期待したのだが、予想は良い方に大きく外れ500万枚以上の売り上げを記録(RIAA認定)した。

    バンドの名前を冠したこの作品は、当時ラジオでコンスタントに流され、彼らが音楽界のスーパースターになる一因となった。それはシングルをラジオ向けに別ミックスした(ラジオで聞いたときに印象が強くなるようにした)ことが大きい。ラジオでのヘビープレイは、より有名な次のアルバム『』でも続いた。また、このアルバムを出す前にバンドは小さな会場からバンドの前座としてまで様々な環境でライブを行った。こうすることで先にファンをつかむことに成功した。

    収録曲

    オリジナル版

    Side 1
    1. マンデイ・モーニング - Monday Morning (Lindsey Buckingham) - 2:48
      リード・ボーカル:リンジー・バッキンガム
    2. ウォーム・ウェイズ - Warm Ways (Christine McVie) - 3:53
      リード・ボーカル:クリスティン・マクヴィー
    3. ブルー・レター - Blue Letter (Richard Curtis, Michael Curtis) - 2:41
      リード・ボーカル:リンジー・バッキンガム
    4. リアノン - Rhiannon (Stevie Nicks) - 4:10
      リード・ボーカル:スティーヴィー・ニックス
    5. オーヴァー・マイ・ヘッド - Over My Head (C. Mcvie) - 3:38
      リード・ボーカル:クリスティン・マクヴィー
    6. クリスタル - Crystal (Nicks) - 5:12
      リード・ボーカル:リンジー・バッキンガム
    Side 2
    1. セイ・ユー・ラヴ・ミー - Say You Love Me (C. Mcvie) - 4:10
      リード・ボーカル:クリスティン・マクヴィー
    2. ランドスライド - Landslide (Nicks) - 3:19
      リード・ボーカル:スティーヴィー・ニックス
    3. ワールド・ターニング - World Turning (C. McVie, Buckingham) - 4:24
      リード・ボーカル:リンジー・バッキンガム、クリスティン・マクヴィー
    4. シュガー・ダディ - Sugar Daddy (Mcvie) - 4:09
      リード・ボーカル:クリスティン・マクヴィー
    5. アイム・ソー・アフレイド - I'm So Afraid (Buckingham) - 4:30
      リード・ボーカル:リンジー・バッキンガム

    2004年リマスター版で追加された曲

    1. ジャム#2 - Jam #2 (Buckingham, C. Mcvie, John Mcvie, Mick Fleetwood) - 5:41*
    2. セイ・ユー・ラヴ・ミー (シングル・ヴァージョン) - Say You Love Me (Single Version) (C. Mcvie) - 4:03
    3. リアノン (シングル・ヴァージョン) - Rhiannon(Will You Ever Win) (Single Version) (Nicks) - 3:48
    4. オーヴァー・マイ・ヘッド (シングル・ヴァージョン) - Over My Head (Single Version) (C. Mcvie) - 3:09
    5. ブルー・レター (シングル・ヴァージョン) - Blue Letter (Single Version) (Richard Curtis, Michael Curtis) - 2:42*

    *は未発表トラックを示す

    クレジット

    フリートウッド・マック

    外部ミュージシャン

    プロデュース

    • プロデューサー:フリートウッド・マック、キース・オルセン
    • エンジニア:キース・オルセン
    • セカンドエンジニア:David Devore

    チャート

    アルバム

    チャート 順位
    1976 Billboard 200 1

    シングル

    シングル チャート 順位
    1976 オーヴァー・マイ・ヘッド ポップ・シングル 20
    1976 オーヴァー・マイ・ヘッド アダルト・コンテンポラリー 32
    1976 リアノン ポップ・シングル 11
    1976 リアノン アダルト・コンテンポラリー 33
    1976 セイ・ユー・ラヴ・ミー ポップ・シングル 11
    1976 セイ・ユー・ラヴ・ミー アダルト・コンテンポラリー 12

    脚注

    1. ^ たまにホワイト・アルバムと呼ばれるが、ビートルズホワイト・アルバムと混同しないこと。
    2. ^ Fleetwood Mac, 'Fleetwood Mac' | 500 Greatest Albums of All Time | Rolling Stone

    参考文献

    • Parke Puterbaugh (2004). Fleetwood Mac. In Fleetwood Mac [CD liner notes]. Los Angeles: Warner Bros.

    外部リンク

    先代
    ピーター・フランプトン
    フランプトン・カムズ・アライヴ!
    Billboard 200 ナンバーワンアルバム
    1976年9月4日(1週)
    次代
    ピーター・フランプトン
    『フランプトン・カムズ・アライヴ!』






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