ファイヤー・ガーデン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/10 06:38 UTC 版)
『ファイヤー・ガーデン』 | ||||
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スティーヴ・ヴァイ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | カリフォルニア州ロサンゼルス マザーシップ・スタジオ | |||
ジャンル | ハードロック、ヘヴィメタル、プログレッシブ・ロック、インストゥルメンタル | |||
時間 | ||||
レーベル | エピック・レコード | |||
プロデュース | スティーヴ・ヴァイ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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スティーヴ・ヴァイ アルバム 年表 | ||||
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『ファイヤー・ガーデン[7]』(Fire Garden)は、スティーヴ・ヴァイが1996年に発表したスタジオ・アルバム。アルバム前半の「フェイズ1」は大部分がインストゥルメンタル、後半の「フェイズ2」は大部分がボーカル入りの楽曲という構成になっている[8]。ヴァイ自身は『Guitar World』1996年10月号のインタビューにおいて「2枚組のアルバムとしてリリースしたら高価になってしまう。だからアルバム2枚分の曲を1枚のアルバムに押し込んで、2相を表現することにした」と説明している[9]。
背景
「ダイイン・デイ」は、ヴァイがオジー・オズボーンと「マイ・リトル・マン」(アルバム『オズモシス』に収録)を共作していた頃に作られた曲である[10]。
ヴァイの説明によれば、「ファイアー・ガーデン組曲」は少年時代に観たリターン・トゥ・フォーエヴァーのライヴに影響されているという[11]。組曲のうち「プサ・ロード」では、エレクトリック・シタールを4つのアンプで鳴らして、4本のシタールが同時に演奏されているような効果を得た[11]。また、続く「エンジェル・フッド」におけるピアノ演奏は、サンプリング音源を使ってヴァイ自身がシーケンサーに入力した[11]。
「バンコク」はミュージカル『チェス』の楽曲「ワン・ナイト・イン・バンコック」をインストゥルメンタルとしてカヴァーしたもの。ヴァイ自身は、当初は自分の古いテープを聴き返して、自分のアイディアだと思い込み「ファイアー・ガーデン組曲」の一部に組み込んだが[12]、マネージャーのボーイフレンドから『チェス』の曲だという指摘があり[12][13]、最終的にはティム・ライスら原作者の許諾を得て「ファイアー・ガーデン組曲」の前に収録した[12]。ヴァイは1997年のインタビューで、この件について「デイヴィッド・リー・ロスのバンドにいた頃にテープを渡されて、奴は中身も言わないで『これを採譜してくれ。この曲を覚えてセット・チェンジの間に演奏してくれ』って言ってきた。それで採譜して、ほんの何回かだけ演奏したんだ」「曲名も何も知らなかった。それで10年経って、そいつを引っ張り出して聴き返しても思い出せなかったから、俺が書いたと思い込んでしまった。素晴らしいメロディで、俺が作ったにしては良すぎると思ったよ」と語っている[13]。
「フェイズ2」ではヴァイ自身がリード・ボーカルを担当した。ヴァイはそのことについて「いつもステージではもっと歌いたいって思っていたから、楽しい時間が過ごせるだろうと感じている」「ギターと歌を同時にこなすのは、とても難しいってことが分かった。それができれば、一生の仕事にするだろうね」と語っている[9]。
「バンコク」と「ファイアー・ガーデン組曲」のレコーディングに参加したマイク・マンジーニ(元アナイアレイター〜エクストリーム)は、1996年から2000年にかけて、ヴァイのツアーでもドラムスを担当した[14]。その他、ヴァイと共にデイヴィッド・リー・ロスのバンドで活動していたグレッグ・ビソネットや、ヴァイの旧作にも参加したスチュアート・ハム、デヴィン・タウンゼンド、ディーン・カストロノヴォ等も参加している。
評価
Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「他の多くのギター・ヒーローと違い、ヴァイは音楽を、自分のテクニックを誇示する手段とはみなしていない。むしろ、驚異的なテクニックで音風景を生み出すことに注力して、自分の名人芸を披露している。その結果、ギター・フリークでなくても楽しめるギター・アルバムになった」と評している[8]。
収録曲
特記なき楽曲はスティーヴ・ヴァイ作。15.は日本盤ボーナス・トラック。
フェイズ1
- ゼアズ・ア・ファイアー・イン・ザ・ハウス - There's a Fire in the House - 5:26
- ザ・クライング・マシーン - The Crying Machine - 4:50
- ダイイン・デイ - Dyin' Day - 4:29
- フーカム - Whookam - 0:36
- ブローフィッシュ - Blowfish - 4:03
- ザ・ミステリアス・マーダー・オブ・クリスチャン・ティエラズ・ラバー - The Mysterious Murder of Christian Tiera's Lover - 1:02
- ハンド・オン・ハート - Hand on Heart - 5:25
- バンコク - Bangkok (Benny Andersson, Björn Ulvaeus, Tim Rice) - 2:46
- ファイアー・ガーデン組曲 - Fire Garden Suite - 9:55
- ブル・ホイップ - Bull Whip
- プサ・ロード - Pusa Road
- エンジェル・フッド - Angel Food
- トーラス・ブルバ - Taurus Bulba
フェイズ2
- ディープネス - Deepness - 0:47
- リトル・アリゲーター - Little Alligator - 6:12
- オール・アバウト・イヴ - All About Eve - 4:37
- エイキング・ハンガー - Aching Hunger - 4:45
- ブラザー - Brother - 5:05
- ザ・マーダー - The Murder - 3:22
- ダム・ユー - Damn You - 4:31
- ホエン・アイ・ワズ・ア・リトル・ボーイ - When I Was a Little Boy - 1:18
- ジェネサイド - Genocide - 4:11
- ウォーム・リガーズ - Warm Regards - 4:07
参加ミュージシャン
- スティーヴ・ヴァイ - ギター、ボーカル、バッキング・ボーカル、ベース、エレクトリック・シタール、キーボード、プログラミング他
- デヴィン・タウンゼンド - ボーカル、バッキング・ボーカル(on 4.)
- ウィル・ライリー - キーボード(on 14.)
- ジョン・アヴィラ - ベース(on 2.)
- スチュアート・ハム - ベース(on 3.)
- ファブリツィオ・ゴッシ - ベース(on 14.)
- クリス・フレイジャー - ドラムス(on 1.)
- グレッグ・ビソネット - ドラムス(on 2.)
- ディーン・カストロノヴォ - ドラムス(on 3. 5. 7. 11. 12. 16.)
- マイク・マンジーニ - ドラムス(on 8. 9.)
- ロビン・ディマジオ - ドラムス(on 14.)
- C・C・ホワイト - バッキング・ボーカル(on 12. 18.)
- トレイシー・ルイス - バッキング・ボーカル(on 12. 18.)
- ミロスラヴァ・メンドーサ・エスクリバ - バッキング・ボーカル(on 12. 18.)
- キンバリー・エヴァンス - バッキング・ボーカル(on 12. 18.)
- マーク・マックライト - バッキング・ボーカル(on 18.)
- ジム・アルトマン - バッキング・ボーカル(on 18.)
- ジョン・"ガッシュ"・ソンブロット - バッキング・ボーカル(on 18.)
脚注
- ^ ORICON STYLE
- ^ finnishcharts.com - Steve Vai - Fire Garden
- ^ lescharts.com - Steve Vai - Fire Garden
- ^ STEVE VAI songs and albums | full Official Chart history
- ^ dutchcharts.nl - Steve Vai - Fire Garden
- ^ “Steve Vai - Awards”. AllMusic. 2016年6月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月29日閲覧。
- ^ 日本盤CD(SRCS-8137)帯に準拠
- ^ a b Fire Garden - Steve Vai | AllMusic - Review by Stephen Thomas Erlewine
- ^ a b From the Archive: Steve Vai Discusses His 1996 Album, 'Fire Garden' | Guitar World - 2014年5月30日閲覧
- ^ Black Sabbath: The Ozzman Cometh Again - gibson.com - article by Peter Hodgson - 2014年5月30日閲覧
- ^ a b c “From the Archive: Steve Vai Discusses His 1996 Album, 'Fire Garden' - Page 3”. Guitar World. NewBay Media (2011年11月16日). 2015年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月10日閲覧。
- ^ a b c “Steve Vai Interview: Guitar Interviews”. Guitar International. 2015年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月7日閲覧。
- ^ a b “INTERVIEW WITH STEVE VAI, 4.6.97”. idiotbastard.com. 2016年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月29日閲覧。
- ^ It's Official: Mike Mangini Is New Dream Theater Drummer - Blabbermouth.net - 2014年5月30日閲覧
- ファイヤー・ガーデンのページへのリンク