ファイヤー・ガーデンとは? わかりやすく解説

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ファイヤー・ガーデン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/10 06:38 UTC 版)

『ファイヤー・ガーデン』
スティーヴ・ヴァイスタジオ・アルバム
リリース
録音 カリフォルニア州ロサンゼルス マザーシップ・スタジオ
ジャンル ハードロックヘヴィメタルプログレッシブ・ロックインストゥルメンタル
時間
レーベル エピック・レコード
プロデュース スティーヴ・ヴァイ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 18位(日本[1]
  • 22位(フィンランド[2]
  • 30位(フランス[3]
  • 41位(イギリス[4]
  • 85位(オランダ[5]
  • 106位(アメリカ[6]
  • スティーヴ・ヴァイ アルバム 年表
    エイリアン・ラヴ・シークレッツ
    (1995年)
    ファイヤー・ガーデン
    (1996年)
    G3ライヴ(with ジョー・サトリアーニエリック・ジョンソン
    (1997年)
    テンプレートを表示

    ファイヤー・ガーデン[7]』(Fire Garden)は、スティーヴ・ヴァイ1996年に発表したスタジオ・アルバム。アルバム前半の「フェイズ1」は大部分がインストゥルメンタル、後半の「フェイズ2」は大部分がボーカル入りの楽曲という構成になっている[8]。ヴァイ自身は『Guitar World』1996年10月号のインタビューにおいて「2枚組のアルバムとしてリリースしたら高価になってしまう。だからアルバム2枚分の曲を1枚のアルバムに押し込んで、2相を表現することにした」と説明している[9]

    背景

    「ダイイン・デイ」は、ヴァイがオジー・オズボーンと「マイ・リトル・マン」(アルバム『オズモシス』に収録)を共作していた頃に作られた曲である[10]

    ヴァイの説明によれば、「ファイアー・ガーデン組曲」は少年時代に観たリターン・トゥ・フォーエヴァーのライヴに影響されているという[11]。組曲のうち「プサ・ロード」では、エレクトリック・シタールを4つのアンプで鳴らして、4本のシタールが同時に演奏されているような効果を得た[11]。また、続く「エンジェル・フッド」におけるピアノ演奏は、サンプリング音源を使ってヴァイ自身がシーケンサーに入力した[11]

    「バンコク」はミュージカル『チェス』の楽曲「ワン・ナイト・イン・バンコック」をインストゥルメンタルとしてカヴァーしたもの。ヴァイ自身は、当初は自分の古いテープを聴き返して、自分のアイディアだと思い込み「ファイアー・ガーデン組曲」の一部に組み込んだが[12]、マネージャーのボーイフレンドから『チェス』の曲だという指摘があり[12][13]、最終的にはティム・ライスら原作者の許諾を得て「ファイアー・ガーデン組曲」の前に収録した[12]。ヴァイは1997年のインタビューで、この件について「デイヴィッド・リー・ロスのバンドにいた頃にテープを渡されて、奴は中身も言わないで『これを採譜してくれ。この曲を覚えてセット・チェンジの間に演奏してくれ』って言ってきた。それで採譜して、ほんの何回かだけ演奏したんだ」「曲名も何も知らなかった。それで10年経って、そいつを引っ張り出して聴き返しても思い出せなかったから、俺が書いたと思い込んでしまった。素晴らしいメロディで、俺が作ったにしては良すぎると思ったよ」と語っている[13]

    「フェイズ2」ではヴァイ自身がリード・ボーカルを担当した。ヴァイはそのことについて「いつもステージではもっと歌いたいって思っていたから、楽しい時間が過ごせるだろうと感じている」「ギターと歌を同時にこなすのは、とても難しいってことが分かった。それができれば、一生の仕事にするだろうね」と語っている[9]

    「バンコク」と「ファイアー・ガーデン組曲」のレコーディングに参加したマイク・マンジーニ(元アナイアレイター〜エクストリーム)は、1996年から2000年にかけて、ヴァイのツアーでもドラムスを担当した[14]。その他、ヴァイと共にデイヴィッド・リー・ロスのバンドで活動していたグレッグ・ビソネットや、ヴァイの旧作にも参加したスチュアート・ハムデヴィン・タウンゼンド、ディーン・カストロノヴォ等も参加している。

    評価

    Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「他の多くのギター・ヒーローと違い、ヴァイは音楽を、自分のテクニックを誇示する手段とはみなしていない。むしろ、驚異的なテクニックで音風景を生み出すことに注力して、自分の名人芸を披露している。その結果、ギター・フリークでなくても楽しめるギター・アルバムになった」と評している[8]

    収録曲

    特記なき楽曲はスティーヴ・ヴァイ作。15.は日本盤ボーナス・トラック

    フェイズ1

    1. ゼアズ・ア・ファイアー・イン・ザ・ハウス - There's a Fire in the House - 5:26
    2. ザ・クライング・マシーン - The Crying Machine - 4:50
    3. ダイイン・デイ - Dyin' Day - 4:29
    4. フーカム - Whookam - 0:36
    5. ブローフィッシュ - Blowfish - 4:03
    6. ザ・ミステリアス・マーダー・オブ・クリスチャン・ティエラズ・ラバー - The Mysterious Murder of Christian Tiera's Lover - 1:02
    7. ハンド・オン・ハート - Hand on Heart - 5:25
    8. バンコク - Bangkok (Benny Andersson, Björn Ulvaeus, Tim Rice) - 2:46
    9. ファイアー・ガーデン組曲 - Fire Garden Suite - 9:55
      1. ブル・ホイップ - Bull Whip
      2. プサ・ロード - Pusa Road
      3. エンジェル・フッド - Angel Food
      4. トーラス・ブルバ - Taurus Bulba

    フェイズ2

    1. ディープネス - Deepness - 0:47
    2. リトル・アリゲーター - Little Alligator - 6:12
    3. オール・アバウト・イヴ - All About Eve - 4:37
    4. エイキング・ハンガー - Aching Hunger - 4:45
    5. ブラザー - Brother - 5:05
    6. ザ・マーダー - The Murder - 3:22
    7. ダム・ユー - Damn You - 4:31
    8. ホエン・アイ・ワズ・ア・リトル・ボーイ - When I Was a Little Boy - 1:18
    9. ジェネサイド - Genocide - 4:11
    10. ウォーム・リガーズ - Warm Regards - 4:07

    参加ミュージシャン

    • スティーヴ・ヴァイ - ギターボーカル、バッキング・ボーカル、ベース、エレクトリック・シタールキーボード、プログラミング他
    • デヴィン・タウンゼンド - ボーカル、バッキング・ボーカル(on 4.)
    • ウィル・ライリー - キーボード(on 14.)
    • ジョン・アヴィラ - ベース(on 2.)
    • スチュアート・ハム - ベース(on 3.)
    • ファブリツィオ・ゴッシ - ベース(on 14.)
    • クリス・フレイジャー - ドラムス(on 1.)
    • グレッグ・ビソネット - ドラムス(on 2.)
    • ディーン・カストロノヴォ - ドラムス(on 3. 5. 7. 11. 12. 16.)
    • マイク・マンジーニ - ドラムス(on 8. 9.)
    • ロビン・ディマジオ - ドラムス(on 14.)
    • C・C・ホワイト - バッキング・ボーカル(on 12. 18.)
    • トレイシー・ルイス - バッキング・ボーカル(on 12. 18.)
    • ミロスラヴァ・メンドーサ・エスクリバ - バッキング・ボーカル(on 12. 18.)
    • キンバリー・エヴァンス - バッキング・ボーカル(on 12. 18.)
    • マーク・マックライト - バッキング・ボーカル(on 18.)
    • ジム・アルトマン - バッキング・ボーカル(on 18.)
    • ジョン・"ガッシュ"・ソンブロット - バッキング・ボーカル(on 18.)

    脚注

    1. ^ ORICON STYLE
    2. ^ finnishcharts.com - Steve Vai - Fire Garden
    3. ^ lescharts.com - Steve Vai - Fire Garden
    4. ^ STEVE VAI songs and albums | full Official Chart history
    5. ^ dutchcharts.nl - Steve Vai - Fire Garden
    6. ^ Steve Vai - Awards”. AllMusic. 2016年6月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月29日閲覧。
    7. ^ 日本盤CD(SRCS-8137)帯に準拠
    8. ^ a b Fire Garden - Steve Vai | AllMusic - Review by Stephen Thomas Erlewine
    9. ^ a b From the Archive: Steve Vai Discusses His 1996 Album, 'Fire Garden' | Guitar World - 2014年5月30日閲覧
    10. ^ Black Sabbath: The Ozzman Cometh Again - gibson.com - article by Peter Hodgson - 2014年5月30日閲覧
    11. ^ a b c From the Archive: Steve Vai Discusses His 1996 Album, 'Fire Garden' - Page 3”. Guitar World. NewBay Media (2011年11月16日). 2015年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月10日閲覧。
    12. ^ a b c Steve Vai Interview: Guitar Interviews”. Guitar International. 2015年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月7日閲覧。
    13. ^ a b INTERVIEW WITH STEVE VAI, 4.6.97”. idiotbastard.com. 2016年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月29日閲覧。
    14. ^ It's Official: Mike Mangini Is New Dream Theater Drummer - Blabbermouth.net - 2014年5月30日閲覧



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