ピルビン酸 → ホスホエノールピルビン酸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 09:29 UTC 版)
「糖新生」の記事における「ピルビン酸 → ホスホエノールピルビン酸」の解説
クエン酸回路を経由させることで反応を進めている。この反応は4つの段階を踏み、はじめの2段階はミトコンドリアで、後は細胞質で行われる。ミトコンドリア内ではピルビン酸カルボキシラーゼがピルビン酸に作用してオキサロ酢酸となりクエン酸回路の中間体となる。オキサロ酢酸はそのままではミトコンドリアの内膜を通過できないので、ミトコンドリアから細胞質へのホスホエノールピルビン酸の輸送は、リンゴ酸/ホスホエノールピルビン酸シャトルによって調停される。そして、オキサロ酢酸がミトコンドリアから出るためにリンゴ酸デヒドロゲナーゼによってリンゴ酸に還元され、リンゴ酸としてミトコンドリア内膜を通過する。ミトコンドリア外の細胞質で再びリンゴ酸デヒドロゲナーゼによってオキサロ酢酸に酸化され、最終的にはホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)によってホスホエノールピルビン酸に変換される。全体的にこの反応のギブズエネルギーの総和は⊿G'°=0.9 kj/molである。 (ミトコンドリア内) 段階1:ピルビン酸+HCO3-+ATP → オキサロ酢酸+ADP+Pi ピルビン酸カルボキシラーゼにより進む。 段階2:オキサロ酢酸+NADH+H+ ⇌ {\displaystyle \rightleftharpoons } L-リンゴ酸+NAD リンゴ酸デヒドロゲナーゼにより進む。 (リンゴ酸-アスパラギン酸シャトルによりリンゴ酸としてミトコンドリア内膜、外膜を通過し細胞質に到達) 段階3:L-リンゴ酸+NAD ⇌ {\displaystyle \rightleftharpoons } オキサロ酢酸+NADH+H+ この反応もリンゴ酸デヒドロゲナーゼにより進む。 段階4:オキサロ酢酸+GTP → ホスホエノールピルビン酸+GDP+CO2 ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(phosphoenolpyruvate carboxykinase)により進む。
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