ヒュー・エヴェレットの原論文
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 08:41 UTC 版)
「多世界解釈」の記事における「ヒュー・エヴェレットの原論文」の解説
ヒュー・エヴェレットは、量子もつれと一貫した歴史を前提とした、射影仮説のない量子論の新しい定式化を試みた。エヴェレット自身はその論文中でエヴェレットが提唱した理論は決定論的であると述べている。論文によれば、量子もつれにより相関した多数の分枝を相対状態として波動関数に記述しており、それらの分枝同士はお互いに干渉できないまま常に並存している。観測者のうちのひとつの分枝の主観では、それと相関した分枝のみが観測可能な世界であって、相関していない他の分枝は観測できない。 清水明は、射影仮説は理論が実験と矛盾せずかつ内部矛盾のない体系になるために必要に迫られて導入されたものであり、ヒュー・エヴェレットの原論文には射影仮説と等価な仮定がないのでユージン・ウィグナーの厳しい批判に遭ったとしている。
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