パレストロ級砲艦
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パレストロ級砲艦 | |
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リッサ海戦を描いた絵画。中央部に浮かんでいる船体が撃沈された「パレストロ」。
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基本情報 | |
艦種 | 装甲艦 |
前級 | ローマ級 |
次級 | プリンチペ・アメデオ級装甲艦 |
要目 | |
排水量 | 常備:2,200トン(ヴァレーセ:2,000トン) 満載:2,600トン(ヴァレーセ:2,400トン) |
全長 | 64.8m |
垂線間長 | 61.0m |
最大幅 | 13.0m |
吃水 | 4.3m |
機関方式 | 形式不明石炭専焼角缶2基 +レシプロ機関2基2軸推進 |
出力 | 930hp |
最大速力 | 8.0ノット(機関航行のみ) |
燃料 | 石炭:180トン |
乗員 | 9名(士官) 251名(科員) |
兵装 | 20.3cm鉄製単装ライフル砲2基 20.3cm鉄製単装滑腔砲2基 12cm鉄製単装滑腔砲1基 8cm青銅製単装砲2基 |
装甲 | 舷側:120mm(水線部) 司令塔:-mm |
パレストロ級はイタリア海軍の装甲砲艦。一等装甲スクリュー砲艦。
概要
1864年4月に、来るべきヴェネツィア上陸作戦のために上陸用舟艇30隻、装甲自走浮き砲台「ゲッリエーラ(Guerriera)級」2隻、装甲砲艦2隻の整備が承認された。このうち装甲砲艦2隻が本級であり、国内の工業力が未発達であったイタリアはフランスに発注した。
2,000トン台のサイズでありながら20.3cm砲4門と強力な火力を持っており、リッサ海戦では主力装甲艦に混じって参加した。この海戦で「パレストロ」は沈没したが、2番艦「ヴァレーゼ」は損傷を殆ど受けず、1870年のローマ侵攻作戦に参加した武勲艦である。
艦形
本級は、フランスで設計・建造された。基本構造は、鉄製の船体の舷側に鉄製の装甲板を張り、3本のバーク式帆走用マストと1本煙突を持つ装甲コルベットである。
顕著に突出した衝角を水面下に持つ艦首から、1番マストが配置された。ボイラー配置の関係で、1番マストのすぐ後方に1本煙突が配置されていた。船体中央部の操舵艦橋に2番マスト、後部に3番マストが配置された。
船体側面部には120mm装甲板が張られた砲門を持ち、船体中央部に20.3cm砲の砲門を片舷2箇所ずつの計4箇所開けていた。船内の砲郭部に20.3cm鉄製ライフル砲を単装砲架で2基、20.3cm鉄製滑腔砲を単装砲架で2基を装備していた。
同型艦
1886年4月にフランス、ラ・セーヌ・メディテラネ造船所にて起工、1865年9月5日進水、1866年1月28日就役、同年7月20日にリッサ海戦にて戦没。
- ヴァレーゼ(Varese)
1886年8月にフランス、ラ・セーヌ・メディテラネ造船所にて起工、1865年12月23日進水、1866年6月1日就役、同年7月20日にリッサ海戦参加、1870年のローマ侵攻作戦に参加。1886年に病院船に類別変更。1891年に除籍後練習艦兼倉庫艦として使用。1901年に解体処分。
関連項目
参考文献
- 「世界の艦船増刊第41集 イタリア戦艦史」(海人社)
- 「Conway All The World's Fightingships 1860-1905」(Conway)
外部リンク
- 'Palestro' (1864)「パレストロ」の説明。
- パレストロ級砲艦のページへのリンク