パラトゥッチの話は事実ではないとする主張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 05:06 UTC 版)
「ジョヴァンニ・パラトゥッチ」の記事における「パラトゥッチの話は事実ではないとする主張」の解説
2013年6月、ニューヨークのユダヤ人歴史センター (Center for Jewish History) のイタリア系ユダヤ人研究部門である Centro Primo Levi は、多数の新資料をもとに、パラトゥッチはファウメのユダヤ人に関する情報をナチスに渡していたと結論づける報告を発表した。それによると、パラトゥッチをめぐる話は、1952年に、ジョヴァンニのおじであったジュゼッペ・マリア・パラトゥッチ (Giuseppe Maria Palatucci) 司教が、自身のきょうだいとその妻(ジョヴァンニの両親)に遺族年金を確保するため、持ち出したものであったという。『i』紙の記事でマイケル・デイ (Michael Day) は、「5000人以上の地域のユダヤ人が救われたとされているが、公的な人口統計ではユダヤ人の人口はその半分しかいなかった」のに、パラトゥッチはどうやってそんなことが出来たのか、と疑問を呈する批評家の見方を紹介している。加えてデイは、イタリアにおける外国籍ユダヤ人強制収容者のデータベースを編纂しているアンナ・ピッツーティ (Anna Pizzuti) が『コリエーレ・デラ・セラ』紙の取材に対し「カンパーニャに収容されたフィウメの住民は40人以下しかおらず、その3分の1がアウシュヴィッツに送られて死んだ」ことを踏まえると、パラトゥッチが数千人のユダヤ人の行き先をカンパーニャに変更したということはあり得ない、と述べていることを紹介している。 この発表の前後に、アメリカ合衆国ホロコースト記念博物館は、パラトゥッチに関する展示を撤去した。
※この「パラトゥッチの話は事実ではないとする主張」の解説は、「ジョヴァンニ・パラトゥッチ」の解説の一部です。
「パラトゥッチの話は事実ではないとする主張」を含む「ジョヴァンニ・パラトゥッチ」の記事については、「ジョヴァンニ・パラトゥッチ」の概要を参照ください。
- パラトゥッチの話は事実ではないとする主張のページへのリンク