パストラル・ドラマ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 16:11 UTC 版)
ルネサンス期のイタリアにはパストラル・ドラマ(英語:Pastoral drama,イタリア語:dramma pastorale, 牧歌劇)も現れた。こちらもギリシアのサテュロス劇を除けば古典に先例がないものだった。アンジェロ・ポリツィアーノの『オルフェオ』(1480年)がこの新しい形式のはじまりだが、その全盛期は16世紀後期で、その中には、トルクァート・タッソの『アミンタ』(1573年、en:Aminta)、ジョヴァンニ・バッティスタ・グァリーニの『忠実な羊飼い(Il pastor fido)』(1590年)といったものがある。ジョン・リリーの『Endimion(エンディミオン)』(1579年)はイタリア様式のパストラル劇をイギリスに持ち込んだものである。ジョン・フレッチャーの『The Faithful Shepherdess(忠実な女羊飼い)』やベン・ジョンソンの『The Sad Shepherd(悲しい羊飼い)』といった作品が現れ、ウィリアム・シェイクスピアの劇(とくに『お気に召すまま』や『冬物語』)にもパストラルの要素が含まれている。ちなみに『お気に召すまま』のプロットはトマス・ロッジのパストラル・ロマンス『ロザリンド』から取られたものである。
※この「パストラル・ドラマ」の解説は、「パストラル」の解説の一部です。
「パストラル・ドラマ」を含む「パストラル」の記事については、「パストラル」の概要を参照ください。
- パストラル・ドラマのページへのリンク