パストレインとは? わかりやすく解説

パストレイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/24 20:03 UTC 版)

パストレイン ( Port Authority Trans-Hudson )
PATH Kawasaki 5602c
基本情報
運行範囲 Newark/Hudson County,New Jersey
and Manhattan, New York
種類 地下鉄
開業 1908年2月25日
(117年前)
 (1908-02-25) (H&M Railroad が開業)
1962年9月1日
(62年前)
 (1962-09-01) (PATH が開業)
運営者 Port Authority Trans-Hudson Corporation
公式サイト PATH公式ホームページ (英語)
詳細情報
総延長距離 22.2 km
路線数 4路線
駅数 13
軌間 1,435 mm (標準軌)
電化方式 直流600V 第三軌条
路線図

パストレイン路線図(ラッシュ時および昼間時)
テンプレートを表示
ジャージーシティにあるエクスチェンジ・プレイス駅、ホーボーケンニューアーク方面行き

パストレイン (Port Authority Trans-Hudson, PATH) は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市ニュージャージー州ニューアーク市を結ぶ鉄道。正式名称 The Port Authority Trans-Hudson Corporation(港湾公社ハドソン川横断公社)の頭文字をとって PATH と呼ばれている (なお英語で "path" は「軌道」の意)。路線の全長は 22.2 km で、ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社 (The Port Authority of New York and New Jersey) が運営している。Newark駅からJournal Square駅までは地上を走るが、それ以外の区間はすべて地下鉄となる。NYマンハッタン内でも地下路線ではあるが、ニューヨーク市地下鉄とは別運営なので、改札口は異なり別料金となる。

路線一覧

パストレイン路線図(深夜時間帯)

24時間運行されており、平日の早朝から深夜までは4系統の運行、平日深夜から早朝および週末終日は2系統の運行となる。平日朝夕ラッシュ時は各系統5-8分、昼間は10-15分、深夜は30-40分間隔、週末の日中は20分間隔の運行。また深夜時間帯にメンテナンス等で閉鎖になる駅がある。

33Street駅でニューヨーク市地下鉄N,Q,R,W,B,D,F,Mの各線、23Street駅でF,M、14Street駅でF,M,L、9Street駅でA,B,C,D,E,F,M(W 4St駅)にそれぞれ接続し、Hoboken駅とNewark駅ではニュージャージートランジットの郊外路線駅と隣接している

平日日中時間帯

ラッシュ時および昼間時の運行形態
路線色 略称 始発駅 終着駅 所要時間
NWK-WTC ワールド・トレード・センター駅 ニューアーク・ペン駅 22分
HOB-WTC ホーボーケン駅 ワールド・トレード・センター駅 10分
JSQ-33 33丁目駅 ジャーナル・スクエア駅 22分
HOB-33 33丁目駅 ホーボーケン駅 14分

深夜時間帯および週末終日

深夜時間帯および週末の運行
路線色 路線略称 始発駅 経由駅 終着駅 備考
NWK-WTC ニューアーク・ペン駅 無し ワールド・トレード・センター駅
JSQ-33 (via HOB) ジャーナル・スクエア駅 ホーボーケン駅 33丁目駅 ホーボーケン駅からワールド・トレード・センター駅にまで向かうには、グローブ・ストリート駅にて乗り換える必要がある。

歴史

ワールドトレードセンター仮駅 (2003年開業、2009年にはサンティアゴ・カラトラヴァによる新駅が完成する予定)

パストレインの歴史は古く、最初の営業運転は1908年2月25日のことであった。この年、パストレインの前身であるハドソン・アンド・マンハッタン鉄道19丁目駅 - ホーボーケン駅間を開通させた。この鉄道の計画立案は1874年に行われていたが、ハドソン川を開削する技術的な問題から工事は1890年に始まった。その後も資金難等の問題があり、計画から開通までに30年以上の歳月を要することになった。

その後、1911年までに現在の路線網(33丁目駅 - ニューアーク・ペン駅間)を開業し、ハドソン川対岸の都市とニューヨーク間の連絡輸送の他、ジャージーシティや、ホーボーケンを基点とするエリー鉄道デラウェア・ラッカワナ・アンド・ウェスタン鉄道の通勤列車の連絡輸送で大活躍した。その最盛期は1920年代の後半で、その後は大恐慌や自動車トンネルの整備などにより乗客が減少、コスト上昇に対して十分な運賃改訂が行えなかった事などもあり、1954年にはハドソン・アンド・マンハッタン鉄道は債務超過状態に陥った。

利用客が減少したとはいえ、ハドソン・アンド・マンハッタン鉄道はハドソン川を連絡する重要な通勤路線で、債務超過を理由に廃止することはできなかった。しかしながら、この路線はニューヨーク、ニュージャージー両州にまたがる鉄道であることから、各自治体の思惑の違いにより、抜本的な対応は1962年にずれ込んだ。この年、ワールドトレードセンター計画を進めていたニューヨーク港湾公社(The Port of New York Authority、1930年に設立されたニューヨーク・ニュージャージー両州にまたがる港湾地域の開発を目的とした公法人、1972年に現在の名称に変更)が、ハドソン・アンド・マンハッタン鉄道に代わり運営を引き継いだのである。港湾公社は買収したマンハッタンのハドソン・ターミナルをワールドトレードセンターの敷地として利用し、マンハッタン南部の再開発を行った。これは再開発に伴う公共交通整備や公共交通維持・拡充のための資金確保の方法としては非常に有益なもので、利用客の大幅な増加も実現されたのである。

2001年アメリカ同時多発テロ事件でターミナルの一つであるワールド・トレード・センター駅は破壊されたが、33丁目駅を使って仮系統のホーボーケン経由ニューアーク-33丁目線を設定することで運行は続けられ、2003年11月にはワールドトレードセンター跡地に仮駅を再開し、2009年には、新ターミナルが完成した。駅は長いエスカレータを降りた先にある自動改札機のさらに下にある。

乗車券

乗車券は、PATHの全駅の中にある「Blue SmartLink vending machines」というSmartLinkカードの自動販売機から購入できる(不正確な翻訳だが日本語も選べる)。 有効期限は購入後2時間以内となっている。これは24時間営業であり日付制限がなじまない(日を跨いでの乗車はむしろ当然で、終電がないので日本のように「当日の終電まで有効」という運用もできない)ためである。 ニューヨーク地下鉄やバスで使用できるメトロカードが使用できるが、片道切符と往復切符でしか使うことができない。また、改札機でICチップ搭載のクレジットカードでのタッチ決済も可。全区間均一料金なので、降車駅で改札通過(退場)の際、検札はない。

なお、NY市の地下鉄やバスとは別組織なので、乗り継ぎ割引等はない。

切符一覧表 2025年4月現在
種類 種類(英語) 料金 1回分の料金 備考
片道切符 1-trip SmartLink / PATH SingleRide Ticket / Pay-Per-Ride MetroCard 3ドル 3ドル SmartLinkまたはMetroCardというカードで1回乗車したときに引かれる料金。
往復乗車券 PATH 2-trip MetroCard 6ドル 3ドル 往復乗車券。MetroCardというカードで1回乗車したときに引かれる料金。割引はない。
10回回数券 10-trip - SmartLink / SmartLink Gray 28.50ドル 2.85ドル 10回分乗車できる回数券。SmartLinkまたはSmartLink Grayというカードでしか使えない。
20回回数券 20-trip - SmartLink / SmartLink Gray 57ドル 2.85ドル 20回分乗車できる回数券。SmartLinkまたはSmartLink Grayというカードでしか使えない。
40回回数券 40-trip - SmartLink / SmartLink Gray 114ドル 2.85ドル 40回分乗車できる回数券。SmartLinkまたはSmartLink Grayというカードでしか使えない。
シニア・スマートリンクカード Senior SmartLink Card - for riders 65 years or older 1.50ドル 1.50ドル 65歳以上限定の老人割引カード。当然ながら現地在住を証明する書類が必要。
1日乗車券 SmartLink 1-day pass-unlimited 11.50ドル 1日乗車券。SmartLinkというカードでしか使えない。
7日乗車券 SmartLink 7-day pass - unlimited* 39.25ドル 7日間乗車券。SmartLinkというカードでしか使えない。
30日乗車券 SmartLink 30-day pass - unlimited 120.75ドル 30日間乗車券。日本で言う定期券と同じようなもの。SmartLinkというカードでしか使えない。

関連項目

外部リンク


パストレイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/27 08:12 UTC 版)

ジャーナル・スクエア・トランスポーテーション・センター」の記事における「パストレイン」の解説

パストレインのジャーナル・スクエア駅はハドソン・アンド・マンハッタン鉄道サミット・アベニュー駅として1912年4月14日開業した。現在はジャーナル・スクエア-33丁目線2系統起終点になっているホーム階は島式ホーム2面4線で、内側の2線にジャーナル・スクエア-33丁目線外側の2線にニューアーク-ワールド・トレード・センター線列車停車する

※この「パストレイン」の解説は、「ジャーナル・スクエア・トランスポーテーション・センター」の解説の一部です。
「パストレイン」を含む「ジャーナル・スクエア・トランスポーテーション・センター」の記事については、「ジャーナル・スクエア・トランスポーテーション・センター」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「パストレイン」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「パストレイン」の関連用語

パストレインのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



パストレインのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのパストレイン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのジャーナル・スクエア・トランスポーテーション・センター (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS