パイロットシステム(第十一章)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 01:56 UTC 版)
「人月の神話」の記事における「パイロットシステム(第十一章)」の解説
ブルックスは、パイロットプラントという考え方を紹介する。 化学エンジニアは、プロセスを実験台から工場にそのまま持ち込まない。彼らは、規模を拡大し、保護されていない環境で操作するという経験を積むために、パイロット・プラントを作る。 そして、ブルックスは、その考え方をソフトウェア・プロジェクトでも活用するべきであると主張する。 この中間の手順は、プログラミング製品にも同じように必要である。しかし、ソフトウェア・エンジニアは、実際の製品の納品に着手する前に、規則として試作のシステムを実地テストにかけるということをいまだに行っていない。 ブルックスによると、最初に作られるシステムは、粗悪である。 多くのプロジェクトでは、最初に作られたシステムは、ほとんど使えない。なぜなら、遅すぎるし、大きすぎるし、使いにくいからである。これら3つがすべて揃っている場合もある。 ブルックスは、そこから次のように主張する。 使い捨てであるはずのファーストシステムをユーザに納品すれば、時間稼ぎにはなるだろう。しかし、結局は、ユーザを激しく苦しめ、再設計をしているときにシステムをサポートしている開発者をイライラさせ、製品の評判が取り返しのつかないほど悪くなるだけである。 そのため、次のようなことが起こる。 したがって、捨てるプランを立てるべきである。いずれにせよ、そうするだろう。 ファーストシステムが捨てられた後に開発されるシステムをセカンドシステムという。このセカンドシステムは、ファーストシステムより洗練されている。このセカンドシステムを製品として納品するべきである。
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