ばら‐の‐たに【薔薇の谷】
バラの谷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/28 05:12 UTC 版)

バラの谷(バラのたに、ブルガリア語:Розова долина / Rozova dolina[1])は、ブルガリア中部の地域で、中央バルカン山脈のすぐ南にあり、同山脈とスレドナ・ゴラ山脈にはさまれた一帯を表す。ストリャマ川(Стряма / Stryama)とトゥンジャ川(Тунджа / Tundzha)の2つの川の渓谷がある[2]。
渓谷は、バラの生産地として良く知られており、バラはこの地で数世紀にわたって栽培され続けてきた。ブルガリアはトルコと共に、香水に使われるローズオイルの世界最大規模の生産地の一つである[3][4]。バラから抽出されたオイルは香水用として世界的に使われている。ローズオイル生産の最大の拠点となっているのは、バラの谷の中央に位置するスタラ・ザゴラ州の町カザンラク(カザンルク)であり、このほかにもカルロヴォ、ソポト、カロフェル(Kalofer)などの町が生産拠点となっている。毎年、カザンラクではバラとローズオイルを祝うバラ祭りが開かれる。
バラ摘みは毎年5月から6月にかけて行われる。この間、一帯はバラの良い香りに包まれ、多様な色のバラに覆われる。バラを集める作業は器用さと忍耐が必要で、かつては女性の仕事であった。バラの花は一つ一つ摘み取られ、ヤナギのかごに入れて蒸留所に運ばれる。

名前
南極大陸、サウス・シェトランド諸島のリヴィングストン島にあるローズ・ヴァレー氷河(Rose Valley Glacier)は、ブルガリアのバラの谷に因んで名づけられた。
脚注
- ^ バラ渓谷とも。
- ^ “デジタル大辞泉の解説”. コトバンク. 2018年8月27日閲覧。
- ^ “ブルガリアの「バラ渓谷」が復活” ( ). ロイター (2008年). 2009年2月4日閲覧。
- ^ “Bulgaria Expects Record Rose Oil Production” ( ). The Bulgarian Post (2007年5月16日). 2009年2月4日閲覧。
バラの谷 (下バルカン)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/13 15:52 UTC 版)
「ブルガリアワイン」の記事における「バラの谷 (下バルカン)」の解説
バラの谷生産地域はバルカン山脈の南に位置している。この地域は東部と西部の小地域に分けられ、ワインスタイルはマスカット、リースリング、ルカツィテリ(英語版)、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどが使われる。この地域では、ほとんどがドライもしくはオフドライの白ワインで、少量の赤ワインが生産されている。この地域には、スングルラレ渓谷 (ブドウ品種レッド・ミスケット(英語版)で有名)を含む。アメリカでも"バラの谷"地域として認知されている。
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