ネクロガンマルスの正体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 17:19 UTC 版)
「ダイオウウミサソリ科」の記事における「ネクロガンマルスの正体」の解説
In.43786 という1本の関節肢と3枚の板状の外骨格を含んだ断片的な化石標本は、本群のウミサソリ類のみを含む堆積累層から発見されるにもかかわらず、Huxley & Salter 1859 によって「偶然に同じ堆積累層に混ざり込んだ」と解釈され、ウミサソリ以外の節足動物、おそらく甲殻類由来の部分と考えられた。この化石は Woodward 1870 に新属(ネクロガンマルス Necrogammarus)新種(Necrogammarus salweyi)として記載され、端脚類の甲殻類に由来する体節と脚と考えられた。しかしこの見解は後に否定され、複数の文献記載に多足類(もしくはその類縁)由来の部分と考えられた。例えば Peach 1899 はそれをヤスデの重体節(融合した2体節)と脚、Rolfe 1980 と Almond 1985 はそれを多足類と六脚類の原始的な水棲近縁由来と考えていた。 この化石標本は Selden 1986 によって再検証がなされる以降では、本群のウミサソリ類由来だと判明した。体節に見える3枚の外骨格のうち、左右2枚は顎基のある第1脚(触肢)基節、中央1枚は上唇、その片側にある脚は短い第1脚の基節以降の部分だと示される。なお、この化石標本は本群の同定形質まで保存されないため、独立種ではなく、既知の種に由来する可能性もある。
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