ネオペンチル基とは? わかりやすく解説

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ネオペンタン

(ネオペンチル基 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/14 17:41 UTC 版)

ネオペンタン
識別情報
CAS登録番号 463-82-1 
PubChem 10041
ChemSpider 9646 
EC番号 207-343-7
MeSH Neopentane
ChEBI
特性
化学式 C5H12
モル質量 72.15 g mol−1
示性式 C(CH3)4
精密質量 72.093900384 g mol−1
外観 無色気体
密度 0.63945 g cm-3 (4 ℃の液体)
融点

−17 °C, 256 K, 1 °F

沸点

10 °C, 283 K, 50 °F

熱化学
標準生成熱 ΔfHo −168.1 kJ mol-1[1]
標準燃焼熱 ΔcHo −3514 kJ mol-1[2]
標準モルエントロピー So 306.28 J K−1 mol−1[1]
危険性
EU分類 F+ N
EU Index 601-005-00-6
NFPA 704
4
1
0
Rフレーズ R12 R51/53
Sフレーズ S2 S9 S16 S33 S61
関連する物質
関連するテトラブチル炭素 テトラ-tert-ブチルメタン
関連物質 テトラメチルシラン
テトラメチルスズ
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ネオペンタン: Neopentane)は、2本の側鎖を持つ炭素数5の分岐鎖を有したアルカンである。IUPAC系統名は 2,2-ジメチルプロパン (2,2-dimethylpropane)だが、ネオペンタンはIUPAC許容慣用名として使用される。第4級炭素を有する化合物の中では、最も単純な構造の化合物であり、n-ペンタンイソペンタン構造異性体でもある。

物理的性質

常圧でのネオペンタンの沸点は9.5 °Cであり、常温常圧では引火性の高い気体として存在するものの、寒い日や高圧下では揮発性の液体として存在する。

構造異性体との沸点の比較

ネオペンタンの沸点は、他の構造異性体に比べて著しく低い。常圧でのイソペンタン(27.7 °C)およびn-ペンタン(36.0 °C)と比べて、ネオペンタン(9.5 °C)である。したがって、ネオペンタンは室温、大気圧下で気体だが、イソペンタンおよびn-ペンタンは辛うじてながら液体である。これについては、分岐鎖が増えたために分子の形状が球形に近付くため、直鎖の場合によりも分子の表面積が減少し、結果として分子間力が弱くしか作用しないからだと説明される[3]

構造異性体との融点の比較

一方で、常圧でのネオペンタンの融点(−16.6 °C)は、イソペンタン(−159.9 °C)よりも140 °C高く、n-ペンタン(−129.8 °C)よりも110 °C高い。この異常に高い融点の原因は、正四面体型のネオペンタン分子が固相において、より良く密接しているために、固体の状態であれば、分子間力が強力に作用しているためだと説明されてきた。しかし、この説明は、ネオペンタンが他の2つの異性体よりも低い密度を有するという理由で疑われてきた。その上に、ネオペンタンの固体の融解エントロピー英語版は、n-ペンタンおよびイソペンタンの融解エントロピーよりも低い。これは、ネオペンタンの高い融点が、より高い分子の対称性から生じるエントロピー効果による結果である事を示している。実際、ネオペンタンの融解エントロピーは、n-ペンタンおよびイソペンタンよりも約4倍低い[4]

NMRスペクトル

ネオペンタンの分子は正4面体状に炭素が連なり、分子内の水素は全て、正4面体の中心の第4級炭素以外に結合した構造をしている。この分子の対称性のため、全てのプロトンは化学的に等価であり、四塩化炭素に溶解して1H NMRで、これらの水素の化学シフトを計測すると、単一のδ = 0.902という値を与える[5]。この点においてネオペンタンは、1H NMRで基準として用いられるテトラメチルシランと似ている。

ネオペンタン分子の対称性は、一部の水素原子が重水素原子によって置き換えられると壊れる。特に、もしそれぞれのメチル基が、異なる数の重水素原子(0、1、2、3)と結合した場合には、キラルな分子が得られる。

ネオペンチル基

ネオペンチル基を持つ化合物の一般構造式。

ネオペンチル基(Neopentyl substituent)とは、ネオペンタンから水素が1つ脱離した構造の部分を指し、しばしばNpと表記される。その構造は Me3C-CH2 と略記される場合もあり、例えば、ネオペンチルアルコールは Me3CCH2OH さらには NpOH と略記される場合もある。

出典

  1. ^ a b 『化学便覧 基礎編』 II、日本化学会 編(改訂6版)、丸善出版、2021年。ISBN 978-4-621-30521-8  表10.10-2.
  2. ^ Neopentane”. NIST. 2021年3月8日閲覧。
  3. ^ Harold Hart(著)、秋葉 欣哉・奥 彬(訳)『ハート基礎有機化学(改訂版)』 p.50 培風館 1994年3月20日発行 ISBN 4-563-04532-2
  4. ^ James Wei (1999). “Molecular Symmetry, Rotational Entropy, and Elevated Melting Points”. Ind. Eng. Chem. Res. 38 (12): 5019-5027. doi:10.1021/ie990588m. 
  5. ^ Proton NMR spectrum of neopentane”. Spectral Database for Organic Compounds. 2006年11月19日閲覧。



ネオペンチル基

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 01:29 UTC 版)

ネオペンタン」の記事における「ネオペンチル基」の解説

ネオペンチル基(Neopentyl substituent)とは、ネオペンタンから水素1つ脱離した構造部分指し、しばしばNp表記される。その構造は Me3C-CH2 と略記される場合もあり、例えば、ネオペンチルアルコールは Me3CCH2OH さらには NpOH と略記される場合もある。

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「ネオペンチル基」を含む「ネオペンタン」の記事については、「ネオペンタン」の概要を参照ください。

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