ニュートリノを放出しない場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 11:10 UTC 版)
「ベータ崩壊」の記事における「ニュートリノを放出しない場合」の解説
ニュートリノが粒子と反粒子が同じであるマヨラナ粒子である場合などに起きる現象。標準理論では起きない現象であり、2006年現在未検証である。この崩壊を観測することにより、ニュートリノの質量やスピンについての不明な点が解明できる可能性があるため、研究が進められている。なお、前述のマヨラナ粒子が関係するもの以外に、超対称性などが関係して起きる可能性も示されている。 ニュートリノがマヨラナ粒子である場合、例えば次のように二重ベータ崩壊が起きる可能性がある。 n ⟶ p + + e − + ν ¯ e {\displaystyle {\ce {{\mathit {n}}->p^{+}{}+{\mathit {e}}^{-}{}+{\bar {\nu }}_{\mathit {e}}}}} (1つ目のベータ崩壊) ν ¯ e ⟶ ν ? e {\displaystyle {\ce {{\bar {\nu }}_{\mathit {e}}->\nu _{\mathit {e}}?}}} (反電子ニュートリノと電子ニュートリノは同一?) n + ν ⟶ e p + + e − {\displaystyle {\ce {{\mathit {n}}+\nu _{\mathit {e}}->p^{+}{}+{\mathit {e}}^{-}}}} (2つ目のベータ崩壊) 結局、全体では次のようになるので、ニュートリノは放出されない。 2 n ⟶ 2 p + + 2 e − {\displaystyle {\ce {2{\mathit {n}}->2p^{+}{}+2{\mathit {e}}^{-}}}}
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